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ホームページ制作費用の内訳とは?発注前に知っておきたい基礎知識
制作費、内訳を知れば見積もりに強くなる。
発注前に知っておきたいホームページ制作費用の構成とポイントを、わかりやすく解説します。
ホームページ制作費用の内訳とは?
ホームページを新たに制作する場合や既存サイトのリニューアルを検討する際、多くの方がまず気になるのが「どのくらいの費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。
しかし実際のところ、ホームページ制作にかかる費用は一律ではなく、サイトの規模や目的、求める機能、依頼する制作会社のサービス内容などによって大きく異なります。
そこで本記事では、発注前にぜひ知っておきたい「ホームページ制作費用の内訳」について、主な費用項目とその内容をわかりやすくご紹介します。制作予算を検討する際や、見積もりを比較・検討する際の参考にぜひお役立てください。

企画・設計費(ディレクション費含む)
企画・設計費は、Webサイト制作の土台を築くために欠かせない費用です。サイト全体の構成やページ設計、コンテンツの方向性をしっかりと計画し、効果的なWebサイトに仕上げるための準備段階にかかる費用となります。具体的には以下のような作業が含まれます。
◉ヒアリング・要件定義
クライアントの事業内容やサイトの目的、ターゲットユーザー、必要な機能やコンテンツの内容などを丁寧にヒアリングし、それらを整理してサイト全体の方向性やゴールを明確にします。
◉情報設計(IA)
ユーザーにとって使いやすく、情報が整理されたサイトを構築するために、サイトマップ(全体構成図)やページごとの構成、ナビゲーションの設計を行います。
◉ワイヤーフレーム作成
各ページのレイアウトや情報配置を視覚的に設計する作業です。デザインに入る前に、どの情報をどの順番・レイアウトで見せるかを設計し、ユーザーの導線を最適化します。
◉プロジェクト管理・進行管理
制作全体がスムーズに進行するよう、スケジュールを立てて管理し、制作チームとの連携を図りながら進行状況を確認・調整します。納期や品質を担保するための重要な工程です。
デザイン制作費
デザイン制作費は、Webサイト全体の見た目や使いやすさを形にするためにかかる費用です。企業やサービスのブランドイメージを視覚的に表現し、ユーザーが快適にサイトを利用できるデザインを制作します。主に以下の内容が含まれます。
◉トップページデザイン
サイトの第一印象を決めるトップページは、ブランドイメージや訴求したいメッセージを反映した魅力的なデザインが求められます。メインビジュアルやキャッチコピーの配置、全体のトーン&マナー(色使い・フォントなど)を設計します。
◉下層ページデザイン
会社概要、サービス紹介、採用情報、問い合わせページなど、トップページ以外の各ページを目的に合わせてデザインします。ページごとの情報の優先順位や視認性、読みやすさを意識して構成します。
◉スマホ/タブレット用デザイン
現在はスマートフォンからの閲覧が主流であるため、PCだけでなくスマホやタブレットでも快適に閲覧・操作できるレスポンシブデザインを行います。画面サイズに応じてレイアウトを最適化し、ユーザー体験を高めます。
◉UI/UXデザイン
サイトを訪れたユーザーが直感的に操作でき、ストレスなく目的を達成できるよう、ユーザーインターフェース(UI)とユーザー体験(UX)を重視したデザイン設計を行います。ボタンの配置、動線設計、視覚的なガイドなどを工夫することで、使いやすさと満足度の向上を図ります。
写真撮影費
写真撮影費は、Webサイトに掲載する高品質な写真素材を撮影・制作するための費用で、撮影内容や規模に応じて費用が発生します。文章だけでは伝わりにくい情報やブランドイメージを魅力的に伝えるために、写真はとても重要な役割を果たします。主な内容は以下の通りです。
◉商品撮影
ECサイトや製品紹介ページ用に、商品を魅力的に見せる写真を撮影します。背景処理やライティング、アングルなど細部にこだわり、購買意欲を高めるビジュアルを制作します。
◉人物撮影(社員・代表者など)
企業サイトや採用ページでよく利用される、代表者・社員・スタッフなどの写真撮影を行います。信頼感や親近感を演出するため、自然な表情や雰囲気を重視した撮影が求められます。
◉施設・店舗撮影
オフィス、工場、店舗など、企業やサービスの魅力を伝える施設写真を撮影します。設備の充実度や空間の雰囲気が伝わるよう、アングルを意識して構成します。
◉イメージ写真撮影
ブランドの世界観やサービス価値を表現するイメージカットを撮影します。Webサイトのビジュアル全体の印象づくりに大きく貢献するため、アートディレクションや撮影企画も重要な工程となります。
動画撮影費・編集費
動画撮影費・編集費は、Webサイトやプロモーション用に活用する高品質な動画コンテンツを制作するためにかかる費用で、制作内容に応じて費用が発生します。動画は視覚と聴覚の両方から情報を伝えることができるため、サービス理解やブランドイメージ訴求、ユーザーの関心を高める効果などが期待できます。主な内容は以下の通りです。
◉企画・構成作成
動画の目的やターゲットに応じた構成案(シナリオ・絵コンテ)を作成します。伝えたいメッセージやブランドのトーンに合わせ、効果的なストーリーや映像表現を計画します。
◉撮影(ロケ撮影・スタジオ撮影など)
プロの撮影チームが現地に赴き、必要な映像素材を撮影します。企業紹介動画、サービス説明動画、インタビュー動画、イベント映像など、用途に応じた撮影を行います。撮影機材や照明、音声収録も含まれます。
◉編集作業(カット編集・テロップ・BGM挿入など)
撮影した映像素材を編集し、視覚的にわかりやすく、印象に残る動画に仕上げます。不要な部分のカット、テロップ(字幕)挿入、BGMや効果音の追加、色調整などを行い、完成度の高い映像コンテンツを制作します。
◉書き出し・納品
Webサイト掲載用やSNS配信用に最適な形式(MP4など)で動画を出力し、納品します。必要に応じて複数パターンの書き出しや短縮版を制作します。
素材購入費
素材購入費は、Webサイトに使用する写真・イラスト・アイコン・フォントなどの有料素材を購入するための費用です。オリジナル制作だけではカバーできない場面で、商用利用が許可された高品質な素材を活用することで、サイト全体のクオリティや訴求力を高めることができます。主な内容は以下の通りです。
◉ストックフォト購入
サイト内で使用する写真素材(イメージ写真や背景写真など)を、ストックフォトサービス(例:Adobe Stock、Shutterstockなど)から購入します。ブランドイメージやサイトデザインに合った写真を選定し、必要なライセンスを取得します。
◉イラスト・アイコン素材購入
Webサイト内の説明補助やデザインアクセントとして使用するイラストやアイコン素材を購入します。視覚的に情報を整理したり、親しみやすさを演出したりする目的で活用されます。
◉フォントライセンス購入
サイト全体のデザインに合わせた特別なフォント(Webフォントやブランドフォント)を使用する場合、必要なライセンスを取得します。ブランドイメージの統一やデザイン性の向上に役立ちます。
◉動画素材・音源素材購入
動画制作やWebサイト内の演出で使用する音源や動画素材(BGM、効果音、映像クリップなど)を購入するケースもあります。使用範囲や媒体に応じたライセンス契約が必要となります。
オリジナルイラスト制作費
オリジナルイラスト制作費は、Webサイト用にデザイン・制作するイラストや図解の制作にかかる費用です。汎用的な素材ではなく、ブランドやサイトの世界観、コンテンツ内容にぴったりと合ったイラストを使用することで独自性や表現力を高め、ユーザーの印象に残るサイトづくりが可能になります。主な内容は以下の通りです。
◉ブランドイメージに沿ったイラスト制作
サイト全体のデザインやブランドトーンに合わせ、一貫性のあるオリジナルイラストを制作します。温かみや親しみやすさ、信頼感、高級感など、イラストのタッチやカラーリングでブランドメッセージを強化します。
◉図解・インフォグラフィックス制作
サービスの仕組みや特徴、実績データなど、複雑な情報を視覚的に分かりやすく伝えるための図解やインフォグラフィックスを制作します。テキストだけでは伝わりづらい内容も、イラスト化することでユーザーの理解度が向上します。
◉キャラクター制作
ブランドのマスコットやサービスキャラクターなど、オリジナルのキャラクターを制作する場合もあります。親しみやブランド認知向上を目的とした活用が増えており、サイトだけでなくパンフレットやSNSなど多用途に展開できます。
取材費・ライティング費
取材費・ライティング費は、Webサイトに掲載する質の高い文章コンテンツを制作するためにかかる費用です。商品・サービスの魅力や企業のストーリー、社員の声などを取材を通じて深掘りし、ユーザーの心に響く言葉としてまとめていきます。読みやすく、かつ説得力のあるテキストは、サイトの信頼性や訴求力を大きく左右する要素のひとつです。主な内容は以下の通りです。
◉取材(ヒアリング・現地訪問)
企業担当者、社員、代表者、ユーザーなどに対してインタビューやヒアリングを実施します。現地での対面取材やオンライン取材など、目的に応じた形式で実施され、現場の空気感や取材対象者の思いをリアルに引き出します。
◉取材内容の整理・原稿構成案作成
取材で得た情報を整理し、どのような構成・流れで記事をまとめるかを企画します。ユーザーの興味や読みやすさを意識しつつ、ブランドのメッセージや意図がしっかり伝わる構成を作成します。
◉コピーライティング・原稿執筆
取材内容をもとに、Webサイトに適した分かりやすく魅力的な文章を執筆します。また、SEO(検索エンジン最適化)も意識しながら、検索に強い自然な文章づくりを心がけます。ページの種類(トップページ・サービスページ・採用ページなど)ごとにトーンや文体を調整し、サイト全体の一貫性を保ちます。
◉校正・リライト対応
初稿完成後、クライアント確認を経て、表現の調整や内容の修正を行い、最終原稿を整えます。誤字脱字のチェックはもちろん、ブランドイメージに沿った言葉選びやトーンの最終調整も行います。
コーディング費(HTML/CSS/JavaScript実装費)
コーディング費は、デザイン制作したビジュアルを実際のWebサイトとして動作させるために必要な作業費用です。Webページが正しく表示され、さまざまなデバイスで快適に閲覧できるよう、HTML/CSS/JavaScriptなどの言語を用いてサイトを構築します。主に以下の内容が含まれます。
◉HTML/CSSコーディング
デザインデータをもとに、Webブラウザ上で正しく表示されるようHTML(構造)とCSS(デザイン・レイアウト)でページを構築します。デザインの意図を忠実に再現しつつ、表示速度やSEO(検索エンジン最適化)も意識したコーディングを行います。
◉JavaScript実装
動きのある表現やユーザーの操作に応じたインタラクション(例:スライダー、アコーディオンメニュー、アニメーション)をJavaScriptを使って実装します。よりリッチなユーザー体験を提供するための重要な工程です。
◉レスポンシブ対応
スマートフォンやタブレット、PCなど、さまざまなデバイスに対応したレスポンシブデザインをコーディングします。画面サイズに応じた最適なレイアウトを実現し、ユーザーがどの端末からでも快適にサイトを利用できるようにします。
CMS構築費(WordPressの場合)
CMS構築費は、Webサイトの更新や運用を効率的に行えるよう、CMS(コンテンツ管理システム)を導入・設定するための費用です。CMSを活用することで、専門的な知識がなくてもWebサイトの文章や画像などのコンテンツ更新を簡単にできるようになります。以下のような作業が含まれます。
◉CMS初期導入・セットアップ
WordPressなどのCMSをサーバーにインストールし、Webサイトの基本的なシステム環境を構築します。CMSの選定や適切な初期設定を行い、安全かつ安定して運用できる基盤を整えます。
◉オリジナルテーマ開発/カスタマイズ
Webサイトデザインに合わせたオリジナルのCMSテーマ(テンプレート)を開発したり、既存テーマをカスタマイズしてブランドイメージやサイトの要件に沿った外観・機能を実現します。
◉管理画面のカスタマイズ
サイト運営担当者が日々の更新作業をスムーズに行えるよう、CMSの管理画面をカスタマイズします。入力項目や操作画面を整理し、運用しやすい環境を整備します。
◉CMS導入マニュアル作成/操作レクチャー
CMSを初めて利用する担当者向けに、操作マニュアルを作成したり、実際の操作方法についてレクチャーを実施することもあります。これにより、公開後のコンテンツ更新作業を安心して行うことができます。
システム開発費
システム開発費は、Webサイトに標準的なコンテンツ表示以外の特別な機能やインタラクティブな仕組みを組み込む場合に発生する費用です。例えば、ECサイトのカート機能や予約システム、会員管理など、サイトの目的や利用者のニーズに応じて専用のシステムを開発・導入する工程が含まれます。主な内容は以下の通りです。
◉ECサイト機能
商品の登録・編集、カート機能、オンライン決済、在庫管理、注文管理など、ECサイト(ネットショップ)を構築するための機能開発を行います。ユーザーが安全かつ快適に商品を購入できる環境を整えます。
◉予約システム
飲食店、サロン、クリニックなどで利用されるオンライン予約システムを開発・導入します。日時指定の予約受付や、予約管理機能、リマインドメール送信など、業種やサービス内容に合わせた柔軟な設計が可能です。
◉会員管理システム
ユーザー登録、ログイン、マイページ機能、会員限定コンテンツの提供など、会員制サイトに必要な機能を構築します。ユーザーの情報管理や特典提供など、多様なマーケティング施策との連携も考慮されます。
◉外部システム連携
CRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)、SNS、決済代行サービスなど、外部サービスとの連携機能を開発します。業務の効率化やマーケティング活動の高度化をサポートします。
テスト・検証費
テスト・検証費は、完成したWebサイトがあらゆる環境で正しく表示・動作するかを確認し、品質を担保するための工程にかかる費用です。制作したサイトが問題なく公開できるよう、細部まで入念にチェックを行います。主な内容は以下の通りです。
◉デバイス検証
PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまな端末での表示確認を行います。また、主要なブラウザ(Chrome、Safari、Edge、Firefoxなど)ごとに表示崩れや動作の違いがないかを丁寧にチェックします。
◉品質チェック
サイト内の文章や画像に誤りがないか、誤字脱字や表記ゆれの確認を行います。また、リンク切れや、フォームの送信機能、ボタンの動作確認など、ユーザーが操作するあらゆる部分の動作確認を実施します。
◉パフォーマンス確認
ページの読み込み速度やレスポンスのチェックも重要な検証項目です。表示速度が遅いとユーザー体験が損なわれるため、パフォーマンス改善のための確認・調整を行う場合もあります。
保守・運用費(オプション)
保守・運用費は、Webサイト公開後も安定した運用を継続し、最新の状態に保つためにかかる費用です。サイトは公開して終わりではなく、セキュリティの維持、コンテンツの更新、技術的なサポートなど、継続的な管理が必要です。主な内容は以下の通りです。
◉サイト更新代行
Webサイトの文章や画像の差し替え、新規ページの追加、最新情報の掲載など、運用中の更新作業を代行します。担当者が忙しい場合や専門知識がない場合でも、迅速かつ正確な更新を行うことが可能です。
◉セキュリティ対策
CMS(WordPressなど)の本体やプラグインの定期的なアップデート、脆弱性パッチの適用など、セキュリティ維持のための作業を行います。常に安全な状態を保つことで、不正アクセスやウイルス感染のリスクを低減します。
◉サーバー・ドメイン管理
サーバーやドメインの更新・管理を代行し、契約切れや設定ミスによるサイト停止を防ぎます。また、サーバーの監視やバックアップ作業を実施し、万が一のトラブルにも備えます。
◉定期レポート/改善提案
アクセス解析ツールを用いてサイトのパフォーマンスやユーザー行動を定期的に分析し、その結果をレポートとして提出します。必要に応じて改善提案も行い、より効果的なサイト運用につなげます。
まとめ:ホームページ制作費用の内訳とは?発注前に知っておきたい基礎知識
いかがでしたでしょうか?ホームページ制作費用の内訳を理解しておくことで、見積もりの内容や適正な費用感が判断しやすくなります。そして、制作に必要な項目や工程を把握することで、目的や予算に応じた賢い発注につなげることができるでしょう。ぜひ今回の内容を参考に、納得感のあるホームページ制作を進めてみてください。
ブランディングチーム
パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。
記事制作/プロデューサー
ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。
Producer
CEO 豊田 善治
東京のブランディング会社

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。