ゴールから考えるWebデザイン、それが成果への最短ルート

成果につながるWebサイトづくりの第一歩「ゴールから考えるWebデザイン」を紹介します。

Introduction

成果へと導く“伝わる”Webデザインと“動かす”構成

Webサイトは単なる「見た目の美しさ」だけでは成果に結びつきません。ユーザーに意図を伝え行動を促すためには、デザインとコンテンツが一体となり、ユーザーの心を動かし共感へと繋げる必要があります。
本記事では、成果を最大化するための「伝わるWebデザイン」と「動かす構成」の考え方の実践ポイントをご紹介します。見た目に頼るだけで終わらない、“成果につながるWebサイト作り”のヒントをぜひ取り入れてください。

Step1.目的を明確にする:ゴールから逆算したWebデザインと構成設計

Webサイトをデザイン・構成する際は、「デザインの美しさ」や「見た目の印象」に意識が向きがちですが、ビジネスとしての成果を出すためには、サイトの目的(ゴール)から逆算して全体設計を図る姿勢が欠かせません。
例えば、商品購入なのか、問い合わせ送信なのか、資料ダウンロードなのか。ユーザーに求めるアクションにより、サイト全体のストーリーやユーザー導線、強調すべき要素は大きく異なります。
Step1では、「Webサイトで達成したい目的」を最初に明確化し、それに基づいたWebデザイン・構成づくりの基本的な考え方を伝授していきます。

Point1.まずはWebサイトのゴール(目的)設定を明確化する
商品購入、問い合わせ、資料DL、会員登録、ブランド認知などが主なゴールとして設定されます。

Point2.各ページでユーザーに期待する行動を明確に定義する
各ページの役割として、〇〇ボタンを押してもらう、問い合わせフォームまで進んでもらう、情報共有してもらう、などが該当します。

Point3.目的達成のためのKPI(成果指標)を設定する
CVR(コンバージョン率)、問い合わせ件数、DL数、滞在時間などがKPIとして設定されます。

Point4.ゴールから逆算してコンテンツ配置・導線を設計する
最終的に行動を起こすために、どのような情報を、どの順番で見せるべきかを検討・構成します。

Point5.コンテンツやデザイン表現も、ゴール達成に寄与する手段として選定する
一例として、「信頼感の演出に実績紹介を前面に打ち出す」「信頼を高める表現として取引先ロゴを入れる」「行動を促す問い合わせバナーのデザイン・配置を工夫する」などが挙げられます。

《まとめ》
成果の最大化を図るためには、「見た目」よりもまず目的(ゴール)から逆算した設計が不可欠です。TOPページをはじめ、各ページのデザイン要素のすべてが「ユーザーに何をしてほしいか」に一貫してつながっていることが、成果を生むWebデザインの基本となります。

Step2.ユーザー視点の導線設計

Webサイトはユーザー行動によって成果が生まれます。そのため、ユーザー視点で「どのような導線(ナビゲーション・ストーリー)を設計するか」が極めて重要なポイントになります。
サイト運営側の意図だけでページ構成を決め進めると、ユーザーは「迷う」「離脱する」などといった状況に陥り、結果離脱へとつながります。逆に、ユーザーが自然な流れで目的地(ゴール)まで進めるような導線設計がなされていれば、コンバージョン率や成果の向上へとつながります。 Step2では、ユーザー視点に立ったスムーズな導線づくりの考え方と具体的な工夫を伝授していきます。

Point1.ユーザーのペルソナ・行動シナリオを設計する
・ターゲットユーザー像(年齢、職業、課題、目的)を明確にする
・どのような動機・きっかけでサイトに訪問し、どんな行動を取るかをシナリオ化する

Point2.ユーザーが自然に進める「流れ」を作る
・ページ内・ページ間の導線を意識して設計する・「次にどこへ行けばよいか」をユーザーが迷わないように明示する

Point3.ページごとの役割と次アクションを整理する
・各ページごとに「このページでは何を伝えるのか」「次に何をしてほしいのか」を明確にする
(1)トップページ → サービス紹介ページへ誘導
(2)サービス紹介ページ → 料金や導入事例ページ→問い合わせページへ誘導

Point4.CTA(Call To Action)を適切な位置と表現で配置する
・ページ内の適切な場所にCTA(ボタン、バナー、リンク)を設置する
・ユーザー心理や行動段階に応じて、自然なタイミングで次の行動を促す

Point5.モバイルファースト・デバイスごとの導線最適化を図る
・スマートフォンやタブレットでも操作しやすい導線設計を行う
・メニュー構造、ボタンサイズ、スクロール量などもユーザー体験に大きく影響することを考慮する

Point6.離脱ポイントの把握から改善を図る
・分析ツールを活用し、離脱が多いページや導線上の課題を特定する
・離脱理由を考察し、導線改善を継続的に行う

《まとめ》
「ユーザー視点の導線設計」では、単にページ全体のナビゲーションだけでなく、各セクション単位で「次の行動」を明確に示すことが、迷いのないスムーズな体験につながります。ページ全体とセクションごとの両軸で行動導線をデザインしていきましょう。

Step3.情報の優先順位と視認性

Webサイトでは、ユーザーがひと目で「自分にとって必要な情報」を把握できる作りが、最も重要です。しかし、情報が過剰に詰め込まれたり、視覚的な整理が不足していたりすると、ユーザーは必要な情報を見つけられずに離脱してしまいます。
そのため、情報の優先順位を明確に定め、それに基づきレイアウト・配色・余白・タイポグラフィなどの視覚設計を丁寧に行うことが大切です。
ユーザーはページを細部まで読む前に「パッと見た印象」で情報を取捨選択する傾向があります。適切な視認性の設計は、ユーザーの情報理解を助け、成果へと導くサイト作りに大きく貢献します。
Step3では、「情報の優先順位」と「視認性」の両面から、効果的な視覚設計のポイントを伝授していきます。

Point1.情報の優先順位を明確に定める
・ページごとに「最も伝えたい情報/次に伝えたい情報/補足情報」の階層を整理する
・ユーザーの関心や行動段階を考慮して、優先順位を設計する

Point2.情報の優先順位をレイアウトで可視化する
・重要な情報は、ファーストビューやスクロール後すぐに目に入る位置に配置する
・見出し・段落構造(H1〜H3)を適切に使い、情報の構造を視覚的に示す

Point3.配色を活用して情報の強弱をつける
・重要な情報は、目立つ色やコントラストの高い配色を用いる
・補足的な情報は、サブカラーや控えめなトーンで整理することで主情報を引き立てる

Point4.余白を効果的に使い、情報のグルーピングと視認性を高める
・セクション間・ブロック間・要素間に十分な余白を設けて情報を整理する
・密集しすぎたデザインは避け、視線の誘導や可読性を意識する

Point5.タイポグラフィの工夫で情報の階層を明確にする
・見出し、本文、注釈など、フォントサイズ・ウェイト・行間を使い分けて階層構造を明確にする
・行間や文字間隔を調整して、読みやすさと視認性を高める

Point6.重要なアクション要素には、視線を集める工夫を
・CTA(ボタンやリンク)は配色、サイズ、配置に工夫を加え、自然に視線が向かうようにデザインする
・他の情報と埋もれないよう、明確なスペースと強調表現を用いる

Point7.モバイルデバイスでの視認性にも配慮する
・モバイルでは特に余白や文字サイズに注意し、タップ操作やスクロールのしやすさを考慮する
・縦スクロール中心の流れでも情報の優先順位が崩れない設計を心がける

《まとめ》
ユーザーが必要な情報をスムーズに理解し、行動につなげてもらうためには、情報の優先順位付けと視認性を高める設計が不可欠です。「どの情報を、どの順番で、どう見せるか」を意識して、レイアウト・配色・余白・タイポグラフィを丁寧に設計していきましょう。

Step4.ストーリー性を持たせたコンテンツ構成

Webサイトで成果を出すためには、ユーザーの「心の動き」に沿った情報提供を意識することが大切です。単に情報を羅列にならないよう、ストーリー性のある流れを意識して構成することで、ユーザーの理解と納得を自然に促すことができます。
ユーザーは「このサービスは自分に必要か?」「信頼できるのか?」「今すぐ行動するべきか?」といった疑問や不安を抱きながらサイトを閲覧します。そのため、情報配置やコピーライティングの工夫により、ユーザーが段階的に安心感を持ち、行動意欲を高められるストーリー設計の工夫が効果へとつながります。
Step4では、ユーザーの心理に寄り添いながら、「流れ」を意識したコンテンツ構成と文章表現のポイントを伝授していきます。

Point1.ユーザーの意思決定プロセスを理解する
・ユーザーがサイトに訪れてからコンバージョンに至るまでの心理的な流れを把握する
・[認知→理解→共感→信頼→納得→行動]の流れに沿ったコンテンツ構成を意識する

Point2.ストーリー性のある情報構成を行う
・Point1の心理プロセスに沿って、情報の順序や配置を設計する
(1)興味を引くキャッチコピー
(2)課題の共感や背景説明
(3)サービス・商品の価値訴求
(4)実績・信頼性の提示
(5)行動を促すクロージング

Point3.「心を動かす」コピーライティングを意識する
・ユーザーの心理段階ごとに、適切な言葉や表現を使う
(1)興味喚起 → キャッチーな見出し
(2)共感 → 「あなたもこんな悩みはありませんか?」など
(3)信頼形成 → 実績・お客様の声・保証内容
(4)行動促進 → 限定性・緊急性・安心感を与える表現

Point4.各ページで情報の流れを意識する
・単一ページの中でも、情報の羅列にならないようストーリー展開を意識する
・読み進めるほど理解が深まり、行動意欲が高まる流れをつくる

Point5.各セクションの「つながり」を意識する
・各セクションの終わりが次のセクションへの自然な誘導となるよう、前後の流れを意識して構成する
・読みやすいリズム感・テンポも意識する

Point6.視覚要素もストーリーに合わせて
・画像・図解・動画などの視覚要素もストーリーの一部として活用する
・単なる装飾でなく、情報の理解促進や感情訴求を意図して配置する

Point7.行動へとつなげる締め括りを工夫する
・ページやストーリーの最後には、自然な形でユーザーに次の行動を促す
(1)資料請求ページ → 「今すぐ無料でダウンロード」など
(2)サービス紹介ページ → 「まずはお気軽にご相談ください」など

《まとめ》
単に情報の羅列にならないよう、ユーザー心理に沿ったストーリー性のあるコンテンツ構成を意識することで、理解と納得が深まり、行動意欲を喚起することができます。ユーザーが「自然と次に進みたくなる」体験設計を心掛けましょう。

Step5.感情を動かすデザイン要素の活用

Webサイトにおいて、ユーザーの「行動」を促すうえで感情への働きかけは非常に効果的な要素です。人は理性だけでなく、感情によっても大きく行動を左右されます。
そのため、写真・動画・アイコン・色彩・レイアウトなどのデザイン要素を巧みに活用することで、ユーザーの共感・信頼・期待感・安心感といったポジティブな感情を引き出し、行動意欲を高めることができます。
Step5では、視覚表現によってユーザーの感情を動かすデザインの考え方と、具体的な活用ポイントを伝授していきます。

Point1.サイト全体の「感情的なトーン」を設計する
・サービスやブランドの特性に合った感情のトーンを定める
(例:安心感・高級感・親しみやすさ・期待感・ワクワク感 など)
・トーンに沿って、デザイン要素全体の方向性を統一する

Point2.写真・動画で共感や信頼を醸成する
・「共感」「親近感」を生みやすい人物写真を積極的に活用する
・実績紹介や導入事例ページでは実際の利用シーンや顧客の表情がわかる写真・動画を使用する
・ストーリー性のある動画を活用することで、短時間で感情的なインパクトを与える

Point3.アイコンやイラストで情報の親しみやすさ・理解促進を図る
・アイコンやイラストを用いて視覚的に情報を整理・補助する
・難解な情報であっても「直感的な理解」を意識する
・ブランディングとの整合性(トーン&マナー)を意識する

Point4.色彩で感情に訴求する
・色の心理効果を活用し、ページ全体の感情的な印象をコントロールする
(1)青 → 信頼・誠実さ
(2)赤 → 情熱・行動促進
(3)緑 → 安心・調和
(4)黄色 → 活発さ・明るさ
・重要なアクション(CTA)には、視線を集め、行動意欲を高める色彩設計を行う

Point5.レイアウト・動きで感情の流れをつくる
・レイアウトのリズム感(間・余白・流れ)により、ユーザーの感情を自然に誘導する
・適度なアニメーション・トランジション(動き)を取り入れ、没入感や期待感を演出する

Point6.ブランドイメージと感情表現の整合性を保つ
・感情訴求のデザイン要素はブランドイメージと矛盾がないよう統一感を持たせる
・一貫したトーンでサイト全体の体験価値を高める

Point7.過剰な視覚演出は避け、ユーザー体験を損なわない
・デザイン要素はあくまでユーザー体験を補完する役割であることを意識する
・過剰な演出(派手すぎる動き・色彩の氾濫)はかえって逆効果になる場合があるため、節度を保つ

《まとめ》
視覚表現はユーザーの感情に大きく影響します。「どんな感情を引き出したいのか」を意識したデザイン要素の選定と表現により、ユーザーの共感や行動意欲を高め、サイトの成果向上につなげていきましょう。

Step6.計測と改善を前提に設計する

Webサイトは一度公開して完了ではありません。ユーザー行動は常に変化しており、Webサイトも継続的な改善サイクルを回すことで、成果の最大化を図ることが大切です。そのため、サイトの設計段階から「計測」と「改善」を前提とした仕組みや考え方を取り入れておくことが重要です。
公開後の具体的な取り組みでは、ユーザー行動をデータとして収集・分析し、ボトルネックや機会を特定することで、デザインや構成を柔軟かつ適切に改善していく取り組みが不可欠となります。
Step6では、Webサイトを「改善し続けるメディア」として捉え、計測と改善を意識した設計と運用のポイントを伝授していきます。

Point1.計測を前提としたKPI/指標を設計段階で明確にする
・サイトの目的に応じて、何を測定し評価するのか(KPI)をあらかじめ設定する
(1)CVR(コンバージョン率)
(2)問い合わせ件数
(3)ページ滞在時間
(4)離脱率・再訪率 など

Point2.ユーザー行動を可視化する計測ツールを導入する
・Google Analytics、Google Tag Manager、ヒートマップツール(例:Hotjar、Microsoft Clarity)などを活用し、ユーザー行動データを可視化する
・ページ単位/セクション単位/CTA単位でユーザーの行動傾向を把握する

Point3.ページや導線ごとのボトルネックを特定する
・計測データをもとに、どのページ・どの導線でユーザーが離脱しているのかを特定する
・離脱要因を仮説立てし、改善ポイントを洗い出す

Point4.改善の優先順位を明確にし、小さな改善から実施する
・改善は「すべて一気に行う」のではなく、優先順位をつけて段階的に実施する
・特に「成果に直結するエリア」から優先的に改善を行う(ファーストビュー、CTA周辺、主要導線 など)

Point5.改善効果を継続的に検証するサイクルを構築する
・改善の結果をデータで検証し、次の改善案に活かす「PDCAサイクル」を意識して運用する
・定期的なサイトレビューや改善ミーティングの場を設け、チームで改善を継続していく

Point6.計測や改善のしやすさをサイト設計時から考慮する
・CTAやボタン、各要素にトラッキングしやすいIDやクラスを設定しておく
・コンテンツやレイアウトを柔軟に変更しやすい設計(CMSの活用、パーツ設計の工夫)を意識する

Point7.ユーザーの声や定性データも改善に活用する
・定量データ(数値)だけでなく、ユーザーアンケートやフィードバックなど定性データも改善のヒントとして活用する
・ユーザーの「なぜそう行動したのか」に迫る視点を持つ

《まとめ》
成果を出し続けるWebサイトには、計測と改善のサイクルが不可欠です。サイト設計段階から「改善しやすさ」を意識し、ユーザー行動データを活用した継続的なチューニングを行うことで、サイトの価値と成果を高め続けましょう。

まとめ:成果へと導く“伝わる”Webデザインと“動かす”構成

いかがでしたでしょうか?サイトの成果を高めるためには、ゴールから逆算した設計を意識することが重要です。目的に沿った情報配置や導線づくりを心掛け、ユーザーを自然に行動へと導けるWebサイトを目指していきましょう。

ブランディングチーム

パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。

記事制作/プロデューサー

ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。

Producer
CEO 豊田 善治

東京のブランディング会社

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。