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優位性を伝えるプレゼンツール「製造業のパンフレット制作」
自社優位性を最大化して伝える、プレゼンツールを準備する。
製造業で主に使用するパンフレットの種類から作成の流れ、制作事例などをご紹介します。
製造業のパンフレット作成
企業にとってパンフレットは、営業シーンや採用説明会において自社の信用を担保し、事業全体を俯瞰して紹介できる重要なプレゼンテーションツールです。特にものづくりを行う製造業においては、企業の透明性や財務力、施設・設備、そして製品の特徴などを能動的に伝えることができるため、その活用方法は多岐に渡ります。
また、パンフレットそのもののデザインや質感から、直感的に企業規模や製品品質を伝えることのできる媒体でもあるため、構成や紙質にこだわりを持つことで、ブランドを演出することも可能な媒体であると言えます。
故に製造業のパンフレット制作では、企業・事業・商品・サービスなどの魅力が正しく伝わるよう、確かな企画力とデザイン力が求められます。
用途や目的を踏まえ、機能するデザインに
B2C(Business to Consumer)ビジネスを展開する企業と比較して製造業は、専門的な事業であることが多いため、一般的にはその事業領域や特徴が伝わりづらい傾向にあります。最終的な取引先がB2B(Business to Business)である場合、「顧客(及び見込み客)に伝われば良い」という考え方も決して間違いではありませんが、パンフレットは用途や目的に応じて企画の切り口を変えることで、ターゲットに深くリーチする訴求力の高いコミュニケーションツールに仕上げることができるため、活用シーンを想定し機能するデザインに仕上げることが大切です。

「伝えたか」ではなく、「伝わるか」を意識する
パンフレットの構成案を企画・検討する際、大切なのはターゲット(読み手)が心地よく情報を受け取れるバランスを意識することです。自社の魅力や特徴を訴求したい思いばかりが先行し、情報量と紙面とのバランスが崩れると、情報のぎっしり詰まった“見にくく、読みづらいパンフレット”に仕上がります。伝えすぎたことで、逆に伝わらないパンフレットになってしまっては、本末転倒です。
大切なのは「伝えたか」ではなく、「伝わるか」。用途、目的、活用シーン、ターゲット特性、そしてパンフレットの役割を念頭に、機能するデザインに仕上げることが大切です。

ブランドイメージを統一する
製造業の場合、企業によっては会社案内パンフレットの他、製品・サービスごとのパンフレットや製品カタログ、展示会などで使用する営業ツール、パワーポイントなどで制作したプレゼン資料、採用パンフレットなど、多くの紙媒体を活用されているケースも珍しくありません。その際大切なのは、「ブランドイメージが統一されている」こと。
会社案内や製品パンフレット、営業ツールなどのブランドコミュニケーションにブレがあると、その企業のブランドイメージがいつまでも確立されないばかりでなく、ブランドイメージを大きく損なう可能性があります。
パンフレットやホームページ、名刺・封筒・プレゼン資料に至るまで、コミュニケーションツールをデザインする際は、ブランドのVI(ビジュアル・アイデンティティ)を統一し、一貫したブランド訴求を行うことが大切です。

製造業で主に使用するパンフレットの種類
製造業向けに制作されるパンフレットは、ブランディング、会社案内、製品案内、情報提供、営業支援、採用強化など、さまざまな目的で活用されますが、ターゲットや活用シーンに最適化することで、訴求力を向上することができます。以下に、製造業で主に使用されるパンフレットの種類をご紹介します。

企業や事業を俯瞰して伝える「会社案内パンフレット」
ビジョンや想い、概要、沿革、組織構造、製品・サービスなど、企業の全体像を俯瞰して伝える役割を担うのが会社案内パンフレットです。新規顧客や取引先、投資家、求職者、及び一般の方など、様々な対象者に企業情報を広く提供するために活用されます。
会社案内パンフレットは、企業のブランドイメージを向上させ、信頼関係を構築するための重要なコミュニケーションツールであるため、制作には確かな企画・デザイン力が求められます。
製品の特長や違いを訴求する「製品案内パンフレット」
製品に関する情報を深掘りし、要点を明確に伝えるとともに、詳細情報まで提供する役割を担うのが製品案内パンフレットです。新規顧客や取引先はもちろん、潜在顧客、販売代理店や販売員、及び一般の方など、様々な対象者に製品の特長やメリット・ベネフィットを伝えるために活用されます。
製品案内パンフレットは、販促活動や営業活動において非常に重要なコミュケーションツールであり、購買意欲を刺激する役割を果たすことから、デザインやメッセージ訴求に工夫を凝らすなど、効果的な情報訴求が不可欠です。
安心と信用を担保する「サービス紹介パンフレット」
企業が提供するサービスに関する情報をまとめ、自社優位性を訴求する役割を担うのがサービス紹介パンフレットです。新規顧客や取引先はもちろん、潜在顧客、販売代理店や販売員、及び一般の方など、様々な対象者にサービスの特長やメリット・ベネフィットを伝えるために活用されます。
形のないサービスが商品となるため、サービス紹介パンフレット制作時には、イラストや図解、概念図やピクトグラム及び写真などを用いて文字情報を補足し、内容が直感的に伝わるようデザインすることで、サービスへの興味を誘引し、関心を高めていくことが重要です。
プレゼンに最適化した「営業パンフレット」
ターゲットを見据えた企画構成で、企業や商品、サービスなどの強みや特徴をアピールし、購買意欲を高めていくコミュニケーションツールが営業パンフレットです。営業パンフレット制作時の企画構成における重要なポイントは「顧客の視点」に立つこと。自社目線で伝えたい情報を一方的に発信するのではなく、顧客のニーズから紐解き、論理的な構成を心がけることが大切です。
また営業パンフレットは、展示会などのイベントや、ウェビナー及びビデオミーティングにも多く活用されるため、プレゼンテーションに最適化され要点が明確なデザインであることが大切です。
仕事の魅力や自社の将来性を訴求する「採用案内パンフレット」
企業や組織が求人募集や採用活動を行う際、自社の企業文化や風土、働く環境などを求職者に向けて発信するコミュニケーションツールが採用案内パンフレットです。教育制度、キャリアパス、福利厚生などの社内制度や待遇など、採用にまつわるあらゆる情報掲載が求められることから、情報整理された見やすく分かりやすいレイアウトと、企業ブランド魅力的に具現化したデザインが不可欠です。
また、求める人材像に向けて策定された採用コンセプトに基づき、採用案内パンフレットや採用サイト、採用動画などの採用ツールデザインを統一し、採用ブランドとして発信することで、求職者に伝えたいポジティブなブランドイメージを与え続けることが可能となり、興味の誘引から応募動機の喚起へと採用強化を図ることができます。
製造業のパンフレット作成の流れ
製造業のパンフレット作成は、オリエンテーションを経て、企画・コンセプト開発、デザイン制作、取材・写真撮影、イラスト制作、色校正、印刷の順で実施します。制作着手からご納品までの大まかな流れは次の通りです。

1.企業・事業・採用を深掘りして理解するオリエンテーション
オリエンテーションを通し、企業を取り巻く外部環境(市場/競合/顧客など)、内部環境(企業理念/MVV/経営方針など)、企業・事業・製品の特徴や強みを把握します。企業・事業・製品・サービスなど、ブランドの優位性を深く理解することで、ベストな提案ができるよう準備を整えます。
2.パンフレットの中核概念となる企画・コンセプト開発
パンフレット作成において、制作の中核概念となるのが企画・コンセプトです。オリエンテーションフェーズにおいて明確化されたターゲット・セグメントに向け、製品の魅力や独自性、企業の信頼性を伝えるためには、どのようなパンフレットであるべきかを初期段階で策定していきます。
ここで決定した企画・コンセプトは、パンフレット作成に関わるすべてのスタッフの共通概念として定義され、以降すべてのプロセスにおいての判断基準となっていきます。
3.企画・コンセプトの具現化、パンフレットデザイン
会社案内、製品案内、カタログ、営業ツール、採用案内など、用途・目的に応じた企画・コンセプトの具現化に向け、要点の抽出からメッセージの言語化を行い、パンフレットデザインを制作していきます。
パンフレットデザインにおいて大切なのは、伝えたいことが直感的に伝わるシンプルなデザインであること。ブランドの世界観を伝えると共に、伝えたいことが正しく伝わるパンフレットデザインを目指します。
4.オリジナルコンテンツの開発、取材・写真撮影
パンフレットデザインが概ね決定した後、取材・写真撮影を実施し、これまでダミーで進めた情報をオリジナルコンテンツに差し替えていきます。取材の対象となる主なコンテンツには、代表メッセージ、お客様の声、採用メッセージ、社員インタビューなどがあり、専任のライターがインタビューを通して引き出していきます。
写真撮影では、社屋や仕事風景、ポートレート、製品などを企業PRの第一線で活躍するカメラマンが撮影し、貴社の魅力がより深く伝わるようワンランク上の写真素材に仕上げていきます。
5.情報を補足しデザイン性を高めるイラスト制作
文字情報や写真だけでは伝えきれない情報をさらに分かりやすく補足するためのイラスト制作を行います。デザインにイラストが挿入されることで、直感的な理解が可能となるため、概念図やエビデンスなどはイラスト訴求が特に効果的だと言えます。
6.印刷前の最終確認、色校正
デザイン校了後は、印刷前の色校正工程へと進行します。色校正には色校正用の専用用紙に出力する「プルーフ(簡易色校正)」、実際の印刷用紙に出力する「本紙色校正」、実際の印刷用紙を用いて実際の印刷機で試し刷りをする「本紙・本機色校正」の3種類があり、事前確認で求める色の精度によりどの色校正が必要かを判断しご提案させて頂きます。
7.パンフレット印刷・製品のご納品
色校正にて最終調整のうえ最終校了を頂いた後、パンフレットの印刷・加工工程へと進行します。製品完成後は適量での梱包を行い、ご指定先へとご納品させて頂きます。
製造業のパンフレット制作事例
こだわりが、最高の1本をつくる。
漆黒リキッドのペン型アイライナーを日本で初めてつくったケミコスクリエイションズ様。オリエンでお伺いして驚いたのは、ヒット商品として知られるアイライナーの多くが同社で企画・制作したものであるということでした。OEMとして名前が表に出ない会社でありながら、メーカー様からの厚い信頼のもと対等な立場でものづくりをつづけるこだわりを「ケミコスのルール」としてまとめ、会社案内パンフレットを作成。他とはレベルの違うクオリティを堂々と表現することをめざしました。
製造業のパンフレット制作事例vol.1|ケミコスクリエイションズ株式会社

つくり続ける、動かし続ける。地球の未来を支え続ける。
建設現場や非常用電源として活躍する屋外用エンジン発電機やエンジン溶接機を製造するデンヨー株式会社様の会社案内パンフレット制作実績です。本案件は、「つくり続ける、動かし続ける。」というコンセプトで2019年に制作した会社案内の改訂がご依頼の内容でした。
コンセプトや構成は大きく変えず、2050年度カーボンニュートラルに向けた同社の想いや製品開発についての記載を加えました。「つくり続ける」「動かし続ける」というコンセプトコピーに「地球の未来を支え続ける」という一文を加え、現在進行形のクリーンな製品開発について訴求をしています。

「たたむ」のすべてに応えたい。
「自社にとってはあたりまえのこととして認識していて、世の中に向かって表現されていない」多くの強みがオリエン時から見受けられました。また会社案内の使い方に関しては「社員が会社案内をお客様へ渡す目的が見えない」「企業の強みが、会社案内で表現できていない」という課題が見えました。
そこで私たちはヒアリングで浮かび上がった同社の強みを改めて明文化。数字にできる強みを見開きページで1つずつ紹介し、先代の代表がつくられた「人にやさしい」という企業理念をブラッシュアップすることで想いも強みのひとつとして訴求し、営業ツールとして使える会社案内を制作しました。
製造業のパンフレット制作事例vol.3|東都フォルダー株式会社

ブランドイメージをデザインした製品パンフレット
物流業界向けのマテハン製品である、つばき リニソート・シリーズの製品一覧を紹介するパンフレットの制作を担当させていただきました。各製品の動画へとリンクするQRコードを配置することで、紙面上だけでは説明しきれない、より詳細な製品の特徴を知ってもらえるようにしています。同製品の重厚感やスケール感に即した黒色をベースに使用し、ブランドイメージの構築を図りました。
製造業のパンフレット制作事例vol.4|株式会社椿本チエイン

ブランドへの思いと誇りを伝える製品パンフレット
神戸製鋼が空気分離装置用の熱交換器として開発に成功した、アルミろう付熱交換器ALEXの製品パンフレット制作実績です。製品カタログとして性能紹介をするだけでなく、神戸製鋼が誇るブランドであることを訴求すべく、製品づくりに携わる技術者たちにもフォーカスをあて、ブランドへの思いや誇りを伝えるコンセプトブックを兼ねた製品パンフレットとしてデザインさせて頂きました。

クリエイティブチーム
パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。
記事制作/プロデューサー
ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。
Producer
CEO 豊田 善治
東京港区のブランディングカンパニー
パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。
