インターナルブランディングのプロセス|①準備
すべての従業員に、心の準備を。
インターナルブランディングは長期計画の策定が不可欠です。ここでは、最初のプロセス「準備」について解説します。
経営層によるゴールの策定
インターナルブランディング活動のゴールは、「従業員意識の活性化」「コミュニケーションの推進」のみではありません。ゴールは、活動が成功し、企業が従業員や顧客に愛される、理想の状況を実現することです。経営層はそのゴールを固め、プロジェクトを推進するリーダーと共有しましょう。そのゴールとなる状況をできる限り具体的に描き、プロジェクトメンバー全員で具体的な施策をつくり、従業員全体の意思統一を図ります。ゴールは想定された期間内で「実現できたか否か」の判断ができるようなものであること、さらに活動の展開中にも「実現に向けた進捗」が判断できるものであるとなお良いと言えます。また、策定したゴールと現実のギャップが大きい場合には、いくつかの段階にゴール設定を分けたステッププランを立てると有効です。
従業員の心理過程を理解する
インターナルブランディングのプロセスにおいて、従業員は次のような心理的な過程を経ることにより自ら考え、自発的に行動するようになります。自分ごと化するためには、従業員一人ひとりの心を動かすことが重要です。
現状認識(自社の強みや弱み、目指すべきポイントと現状との乖離を理解)
↓
危機感や期待感(こうなってはいけない、こうなりたい)
↓
納得(価値観の共有、理解)
↓
行動の変容(企業のあるべき姿に向けて行動しよう)
プロジェクトメンバーを組織する
大企業においては特に、従業員全員が活動に参加するのは難しいため、プロジェクトメンバーを選抜します。ポイントは、経営層をはじめ、全社を横断するメンバーを集結すること。メンバーに選ばれなかったすべての従業員が「自分の意見は、メンバーのあの人が代弁してくれる」と思える人材を選抜することが大切です。その信頼が、従業員一人ひとりが主役となり「自分ごと化」につながるブランディング活動となります。
一方、インターナルブランディングの目的が下記のように明確である場合、それに見合ったメンバーを意識して選ぶことも効果があります。
・経営が順調であり、さらに事業を活性化させるために新しいアイデアが必要な場合→若手従業員を多めに選抜
・M&Aや組織の再編などを計画している場合→マネジメント層や現場リーダーを多めに選抜
活動のスタートを宣言する
インターナルブランディング活動を始めるにあたり、社内に「今、なぜインターナルブランディングを行う必要があるのか」を経営層より従業員に伝えます。プロジェクトのスタートを宣言し、従業員全員の意識をプロジェクトへ向かわせるのです。経営層の間で描いた「企業が向かう理想の状況」、そのために解決すべき課題が明確に設定されているほど、インターナルブランディング活動の重要性は従業員に的確に伝わります。その際、「よくある誤解」をあらかじめ解消しておく必要があります。
●インターナルブランディング活動についてのよくある誤解
・広報や宣伝部がやるもの。
・儲からないから、日々の仕事を重要視すべき。
・会社が実施する研修などに、ただ参加すれば良い。
・自分たちの部署は売り上げを達成しているから、必要ない。
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