強い組織づくりには、強い決断が必要となる。

インターナルブランディングを行う前におさえておきたい、メリットとデメリットについて解説します。

Introduction

インターナルブランディングのメリット

インナーブランディングを実施し、その効果が社内に浸透すると、従業員の意識向上から行動変容が生じ、目標達成に向けた強い推進力となります。また、企業の思いを従業員一人ひとりが正しく理解し、組織として団結することで、企業の掲げるミッション・ビジョン・バリューの実現がより現実的になると言えます。さらには、自社商品やサービスに誇りを持てるようになり、結果、ブランド力向上から売上増加へとつながります。

1.従業員の意識向上・行動の変容

従業員が意識と意欲を持ち、自ら企業ブランドの体現のために行動するようになることはインターナルブランディング最大のメリットといえます。会社や製品、サービスのビジョンを共有することで、会社に対する好感度やモチベーションが高まり、日々の仕事への向き合い方に一貫性が保たれるようになります。自ら積極的にSNSなどを通じて会社・製品・サービスの情報を発信することも期待できます。

2.チームワーク強化

職場の人間関係づくりの重要性を理解しながらも、その難しさに頭を悩ませる企業は多くあります。従業員を巻き込んで行うインターナルブランディングは、それぞれの自主性に任せていたときには生まれづらかったコミュニケーションを生み出し、互いを「知り合い、学び合い、認め合う」きっかけとなります。従業員全員がメンバーの一員であるという連帯感強化につながるため、助け合い、チーム全体の生産性が高まる効果も期待できます。

3.企業にマッチする人材の採用

採用活動は、求職者に自社の理念を伝えるチャンスでもあります。強力なビジョンや価値観がある企業は、チームに参加したいという強いモチベーションを持った人材を惹きつけることができます。インターナルブランディングを進め、理念やビジョンを採用担当者がしっかりと理解することで、会社・製品・サービスのビジョンや価値観に共感する人材、つまり自社で活躍できる人材の採用を可能にするということです。「ここで働けてよかった」と感じる従業員をひとりでも多く採用し、育てていくこと。その仕組みは採用コストの低下、従業員の離職率を低下させる効果へとつながります。

インターナルブランディングのデメリット

一方、インナーブランディングの実施には、時間やコストが掛かるほか、全従業員が必ずしも納得・共感するとは限りません。結果、インナーブランディング施策や取り組みに懸念を抱き、離職につながるリスクも孕んでいます。

1.時間がかかる

自社の現状を把握し、ゴールを策定し、施策を正しく実行し、定着させるサイクルをつくること。そして従業員全員がビジョンや理念などの抽象的な概念を理解した上で「自分ごと化」し、行動変容を起こすための長期的な戦略を策定していきます。フェーズを区切り、策定した目標の評価・見直しを行いながら、長い目でインターナルブランディングを進めていきます。

2.コストがかかる

従業員へのメッセージ(ビジョンステートメント)の作成や、従業員全員での理念共有、行動変容をおこす施策をつくりあげるためには、相応のコストがかかります。また「会社を客観的にみる目」が必要であるため、外部コンサルタントのサポートを利用することもあります。

3.従業員の離職につながるリスク

明文化した理念や価値観の共有を従業員に求めることで、それらに共感できない従業員が会社にいづらくなるリスクがあります。従業員全員で価値観を共有することがインターナルブランディングの理想ですが、現実には、100%の従業員が価値観を共有するのは難しいことを前提にしましょう。

4.従業員が納得できないビジョンは、逆効果にも

インターナルブランディングで定めるビジョンやミッションは、従業員が納得し、行動に移したいと感じられるものであることが必要です。ビジョンが曖昧であったり、あまりにも現実と離れすぎていると、従業員の共感が得られません。また現在は、社会の課題にビジネスで取り組む「ソーシャルグッド」を意識して働く人が増えています。社会を良くするために何ができるのか、社会にとって自社の存在意義は何か、ということをコミュニケーションできなければ、従業員のモチベーション向上につながらず、ミッションそのものを達成できない結果に終わることもあります。

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