商品・サービスのブランドメッセージ事例
●緑茶飲料
【綾鷹】
茶葉ひらく、香り立つ旨み
【伊右衛門】
淹れたてのような緑、味、香り
【お〜いお茶】
本物のおいしいを、茶畑から。
●化粧品
【インテグレート】
まいにちにLovelyを♡
【KATE】
自分を縛る、ルールを壊せ。
【DHC化粧品】
肌本来の生命力をあなたへ
●喫茶店
【喫茶室ルノアール】
都会のオアシス
【コメダ珈琲店】
心にもっとくつろぎを
【ドトール】
ドトール、のち、はれやか。
ブランドメッセージの活用シーン
ブランドメッセージは、主に以下のツールで活用できます。
●サービスサイト
サービスサイトは、ある特定のサービスや機能を紹介するWebサイトで、企業や個人が提供するWebサービスやアプリケーションを支えるインフラストラクチャーとして、また、利用者が必要な情報や機能の提供を受ける窓口として重要な役割を果します。
サービスサイトはその特性上、セキュリティやパフォーマンスの向上、ユーザビリティの改善などが求められますが、UI/UXを高め、消費者満足度の向上を図るとともに、ブランドメッセージを通して違いや思いを伝えてくことで、ユーザーのブランドロイヤルティを高めていくことができます。
●商品・サービス案内パンフレット
商品・サービス案内パンフレットは、商品・サービスの特徴や概要、価格、使い方などを掲載した、紙媒体のパンフレットで、商品・サービスの魅力を直観的に伝える写真やイラストにブランドメッセージを加え、特徴や機能性などの説明文や価格表などをもれなく掲載することで、顧客の購買意欲を高めていきます。
また、商品・サービス案内パンフレットは、ターゲットに能動的なコミュニケーションを図ることができる特徴を有するため、展示会やイベントにおいて活用されるケースが多く、効果的なマーケティングツールとされています。 商品・サービス案内パンフレットは、商品・サービスブランディングやブランドコミュニケーション、そしてプロモーションに不可欠なツールの一つだと言えます。
●販促ツール
販促ツールの定義は幅広く、マスメディアからローカルプロモーションに至るまで、商品やサービスを広くアピールするために活用されるマーケティング手法やツールが含まれます。
商品・サービスのマーケティング戦略により活用する販促ツールは多種多様ですが、いずれにしても、ブランドと消費者とのすべてのタッチポイントに統一したブランドメッセージを伝え続けることで、ブランド認知度を高め、ブランドへの期待と信用を積み重ねることで、顧客獲得を図ることが大切です。
●コンセプトムービー
「企業の想い」や「製品・サービスのコンセプト」をメインとして映像化し、動画を通して伝えるツールで、実写・アニメーション・CGなど、企画の具現化に向け多様な手法で制作されます。制作したコンセプトムービーは、コーポレートサイトやブランドサイトに公開される他、広告、イベントなどでも広く活用されます。
商品・サービスブランディングにおけるブランドメッセージのつくり方
商品・サービスブランディングにおけるブランドメッセージのつくり方を4ステップでご紹介します。
①調査・分析
自社商品・サービスが今日現在、どのポジションに位置するのかという「現実」と、どこを目指したいかという「理想(目指す姿)」を、「自社」「顧客」「競合」の3つの視点で、できるだけ正確に把握していきますが、多くのブランドは、「理想」と「現実」に大きなギャップが生じています。
ここで大切なのは、「理想」の実現にはどのような課題があるのか、どうすればその「課題」を克服してブランド価値を高めることができるのかを分析し、実行に向け計画していくことです。理想を求め、課題を解決し、現実のギャップを埋め、価値を高めていく。この繰り返しが、理想とするブランディングにつながります。
ブランドメッセージ開発では、社内アンケートやワークショップで「理想」と「課題」の明文化を図り、自社商品・サービスの特徴や優位性を分析していきます。分析フェーズでは、フレームワーク(PEST分析、SWOT分析、3C分析、STP分析など)を用いると、客観的な自社分析が可能となります。
●PEST分析
PEST分析(マクロ環境分析)とは、経営学の第一人者として知られるフィリップ・コトラーが提唱するフレームワークのひとつで、マクロ環境の代表とされる「政治・法律(Political Environment)」「経済(Economic Environment)」 「社会(Social Environment)」「技術(Technological Environment)」の観点から、業界全体の将来を予測するために活用されます。
●SWOT分析
SWOT分析とは、目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人のプロジェクトやベンチャービジネスなどにおいて、外部環境や内部環境を、強み(Strength)、弱み (Weakness)、機会(Opportunity)」、脅威(Threat)の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法のひとつです。ここでは主に、自社の強みや市場にある機会を抽出していくことで、自社らしさを明らかにしていきます。
●3C分析
3C分析とは、企業を取り巻く環境を分析する際に用いられるフレームワークのひとつで、PEST分析、ファイブ・フォース分析ともに、企業戦略策定に向けた環境分析の際に用いられます。3Cはそれぞれ、「顧客・市場(Customer)」、「自社(Company)」、「競合(Competitor)」の3つの視点から、顧客の動向を念頭に市場と競合を分析し、事業領域における成功要因とリスク要因を導き出していきます。ここでは主に、他社との違いや自社優位性を抽出していくことで、自社の強みを明らかにしていきます。
●STP分析
STP分析は、セグメンテーション(市場の細分化)、ターゲティング(ターゲット市場の選定)、そしてポジショニング(自社ブランドの立ち位置の明確化)の3つの英単語の頭文字から名付けられた分析法で、マーケティング論で知られる現代マーケティングの第一人者「フィリップ・コトラー」が提唱したフレームワークです。STP分析を活用することで、よりブランドポジショニングを的確に行うことができます。
②ペルソナ設定
ブランドの究極は、「具体的な一人を喜ばせることができるかどうか」にあります。では、「具体的な一人」とはどんな人物なのか、どんな性格で、どのような日々を過ごしているのか。そうした深い考察を行うことで、ターゲットが何を求めているのかをより細部まで想像することができるようになります。そのターゲット設定のために行われるのが「ペルソナ設定」です。
●ペルソナとは
ターゲットの代表的な一人を具体化した、象徴的な顧客像のことを指しています。ペルソナ設定を行うことで、コアターゲット像が明確化されることは大きなメリットだと言えますが、社内の別部署にペルソナを共有することで、ターゲット像の意思統一が図れるというベネフィットも生じます。
ペルソナは、実際には存在していない人物ですが、性別、年齢、住まい、職業、年収などの人口統計学的属性(デモグラフィック)から、価値観、趣味、趣向、ライフスタイルなどの心理的属性(サイコグラフィック)まで、あたかも本当に存在するかのように、リアリティのある人物を設定していきます。できるだけ「本当にいそうだ」と思わせるような設定をすることで、ブランドに携わる人がそのペルソナに共感できたり、その人を喜ばせたいと思う気持ちが湧き、ブランドの質を向上させられる効果もあります。
③ポジショニング設定
数あるブランドから選ばれるためには、自社ブランドの違いを明確に示さなければなりません。そのための第一歩として、自社ブランドが目指すポジションを設定します。その後、「商品・サービスの魅力」や「ターゲットが何を求めているのか」、「競合他社と比べて優位なところ」を改めて整理し、今後ブランドが目指していくポジションを設定します。つまり「〇〇といえば自分たちのブランド」と言われる〇〇を探していく作業です。
例えば「自動車といえばトヨタ」という言い方だけでなく、より細分化し「エンジンが優れた自動車といえばホンダ」「デザインが優れた自動車といえばマツダ」「軽自動車といえばスズキ」など、特徴を細分化することで自分たちだけのポジションを設定することができます。
④メッセージ開発
設定した自社のブランドポジションを、ペルソナにとって魅力的なメッセージに変換します。商品・サービスのブランドメッセージ作成では、主語が自社になってしまいがちなため注意が必要です。
「主語が自社」とは、例えば「これだけの栄養素が入っている」「たくさんの機能を搭載している」という商品やサービスのスペックの凄みを押し出している状態です。受け手が周辺の商品・サービスに詳しい人物である場合は効果を成すこともありますが、前情報がない状態だと興味関心が湧きません。ブランドを通し、どのような変化が起こるのか、どのような経験ができるのか、ターゲットにとってのメリットやベネフィットが伝わるブランドメッセージを作成しましょう。