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グローバル人材を惹きつける!採用サイトの多言語対応の重要性
世界の優秀な人材に届く、採用サイトを。
なぜ今、採用サイトの多言語対応が必要なのか?その理由を紐解き、グローバル人材獲得のいろはを伝授します。
グローバル採用の重要性が増す背景
日本企業における人材採用の在り方は、いま大きな転換期を迎えています。
その背景には、主に次の2つの大きな要因があります。
1.国内における構造的な人材不足
2.世界規模で進む経済・技術のグローバル競争
加えて、リモートワークやオンライン面接の普及により、海外人材ともフラットに接点を持てる環境が整った今、採用活動の対象を日本国内だけに限定する理由は薄れつつあります。
こうした中、グローバル採用は単なる選択肢ではなく、企業の生存と成長を左右する重要な戦略要素となっています。

1.国内の構造的な人材不足
日本社会は少子高齢化の影響により生産年齢人口が急速に減少しています。このままでは、多くの企業で人手不足が慢性化し、事業の継続や拡大そのものが困難になる可能性があります。
2.世界規模で進む経済・技術のグローバル競争
世界に目を向けると、テクノロジーやマーケットのグローバル化が加速しており、多様な人材を活用できる企業が競争力を持つ時代に突入しています。イノベーションを生み出すためには、異なる視点やスキルを持つ人材との協働が不可欠であり、外国籍人材の採用は単なる人手確保ではなく、企業成長の戦略そのものとなってきています。
なぜ今、採用サイトの多言語対応が必要なのか?

近年、日本企業にとって「グローバル人材の確保」は成長戦略の柱となりつつあります。少子高齢化による国内人材の減少、加速するDX・グローバル展開に伴い、海外人材の受け入れはもはや選択肢ではなく「必要条件」と言えるでしょう。
その一方で、優秀な外国籍人材は他国企業との採用競争の中にいます。彼らに自社の魅力を的確に伝えるためには、言語の壁を取り払い、ストレスなく情報が得られる採用サイトが求められます。日本語だけの情報提供では、そもそもスタート地点に立てない可能性もあるのです。
外国籍人材の採用競争が激化している
グローバル人材の採用は、いまやアジア、ヨーロッパ、北米など世界中の企業が注力している分野です。特に英語・中国語・スペイン語など主要言語圏の人材は引く手あまたで、日本企業は「働く魅力」だけでなく「応募しやすさ」「入社後の生活のしやすさ」まで総合的に打ち出す必要があります。
言語の対応は、そうした採用競争の中で「土俵に上がる」ための必須条件とも言えるでしょう。多言語対応は、優秀な人材に「選ばれる企業」になるためのスタートラインなのです。
外国人求職者が日本企業の採用ページに感じる「言語の壁」
外国籍の求職者にとって、日本語だけの採用サイトは「大きな障壁」となります。特に日本での就労が初めての人にとって、仕事内容、待遇、応募方法などが母国語で理解できなければ、選考に進む意欲すら湧きません。
また、日本企業は往々にして「文脈」や「空気」を前提とした情報発信をする傾向があります。こうした情報は、翻訳されなければ真意が伝わらず、誤解や不安を招く原因になります。 情報へのアクセス性と言語の分かりやすさは、そのまま「応募のしやすさ」に直結します。まずは「理解されること」をゴールに、多言語対応の採用情報整備が必要です。
ユーザー体験(UX)としての「母国語対応」の重要性
求職者にとって、採用サイトは企業との最初の接点です。そのファーストタッチで「言語が分からない」「情報が不完全」と感じてしまえば、企業への信頼感は生まれません。
特に外国籍求職者にとっては、母国語での情報提供=安心感と理解の保証です。これにより、応募前の不安や疑問を減らし、スムーズな選考参加へとつながります。
UX(ユーザー体験)の観点から見ても、言語対応は極めて基本的かつ重要な要素です。求職者の心理的ハードルを下げ、好意的な第一印象を与えることで、結果的に採用成功率の向上にも貢献します。
採用ブランディングの観点からの言語対応の意義
多言語対応は、単なる「情報の翻訳」ではありません。それは企業のグローバル性、多様性、そして包摂力(インクルージョン)を表すメッセージでもあります。
例えば、英語や中国語、韓国語などのページを整備することで、「私たちは国籍や文化に関係なく、あなたを歓迎します」という企業姿勢を明確に伝えることができます。
これは採用活動だけでなく、企業ブランディング全体の価値向上にも寄与します。グローバルに活躍する企業としてのイメージを育て、長期的な人材獲得や社内の多様性推進にもプラスに働くでしょう。
外国人求職者に刺さる採用コンテンツとは?

外国籍人材を採用するうえで、彼らが求めているのは「単なる求人情報」だけではありません。文化も言語も異なる中で「安心して働ける環境かどうか」「自分の価値観に合った職場かどうか」を判断するために、より多面的でリアルな情報が求められています。 ここでは、外国人求職者の心に届くコンテンツの具体例を解説します。
仕事内容だけでなく、職場の雰囲気、文化、支援体制を伝える
業務内容の説明はもちろん重要ですが、それ以上に「どんな人たちと、どんな雰囲気で働くのか」という部分は外国籍求職者にとっても大きな関心事です。異文化の中でも安心して働けるかどうかは、応募を決断する上で極めて重要なポイントだと言えます。
《外国人求職者に刺さるコンテンツ例》
・職場内での共通言語(日本語/英語/バイリンガルなど)
・社員同士のコミュニケーションスタイル
・社員の国籍構成やダイバーシティに関する取り組み
・日本語学習支援、オンボーディングサポートの有無
「ビザ支援」や「日本語不問」などの条件を明確に
外国人が日本企業へ応募する際の最大の懸念のひとつが「就労ビザ」と「言語要件」です。にもかかわらず、これらの条件が求人情報に明記されていない場合、候補者は不安を抱えて離脱してしまう可能性があります。
「応募してもいいのか迷っている」層に対して背中を押す明確な情報が、応募者の心理的ハードルを大きく下げるため、次のような内容を明示することで、信頼感を高め、応募率の向上につげることが大切です。
《外国人求職者に安心をもたらすコンテンツ例》
・就労ビザの取得サポートの有無(費用負担・手続き支援など)
・日本語能力要件(JLPTレベル、もしくは「不問」)
・入社後の言語研修やトレーニングの有無
・日本在住/海外在住、どちらも応募可能か
社員インタビューや1日の流れなどのリアルな情報(多言語字幕)
実際に就業する社員のリアルな声は、求職者にとって最も説得力のある情報のひとつです。特に、同じように海外から来て働いている社員の体験談や成功例は、「自分にもできそうだ」という希望を与える力があると言えます。
《外国人求職者が希望を持てる効果的なコンテンツ例》
・外国籍社員のインタビュー記事
・多言語字幕付きの仕事紹介動画(英語・中国語など)
・1日のスケジュールや働き方を紹介するコンテンツ
・入社当初の困りごとと、それをどう乗り越えたかが伝わるコンテンツ
言葉だけではなく、表情や声で伝えることが信頼感の醸成につながります。とくに動画形式で、かつ母国語字幕付きにすることで、理解度と共感は一気に高まります。
今すぐできる!採用サイト多言語対応の始め方

「多言語対応」と聞くと、コストや専門知識のハードルが高い印象を持たれるかもしれません。しかし、実際には段階的に進めることができ、今すぐ始められる施策も多く存在します。ここでは、最初の一歩として取り組みやすい3つのポイントをご紹介します。
【Point1】自動翻訳 vs プロ翻訳の使い分け
多言語対応を始める際、まず検討すべきは「翻訳方法」です。現在ではGoogle翻訳やDeepLといった自動翻訳ツールの精度も向上しており、初期段階での多言語化には非常に有効です。特にブログやお知らせなど、更新頻度が高いコンテンツには自動翻訳を導入する企業も増えています。
一方、採用ページのように企業イメージや文化を正確に伝える必要があるページには、プロによる翻訳(またはローカライズ)が不可欠です。誤訳や不自然な表現があると、逆に信頼を損ねるリスクもあるため、重要コンテンツは慎重に取り扱うことが大切です。
《翻訳の選択肢》
・自動翻訳:コストを抑えて多言語展開したい場合に有効
・プロ翻訳:企業の価値観やカルチャーを正確に届けたい場面に最適
【Point2】サイト全体における言語切替機能の設置
多言語対応は、サイト上に分かりやすい言語切替機能を設置することが大切です。訪問者が自分の言語で情報にアクセスできるようにすることで、ユーザー体験(UX)が格段に向上します。
《言語切り替えの主な設置方法》
・ヘッダーやグローバルナビに言語切替ボタンを設置
・言語ごとにURLを分ける(例:/EN/ zh-CN/zh-TW/JA/)
・hreflangタグを正しく設定し、SEOにも対応させる
特に採用ページでは、「言語が選べる」というだけで応募意欲が高まることも多いため、導線のわかりやすさと、機械的ではない表現の工夫も大切です。
【Point3】社内体制づくり(多文化コミュニケーションの整備)
多言語対応は、単にサイトを翻訳するだけでは完結しません。社内の多文化コミュニケーション体制の整備も同時に進めることで、真の意味で「外国人が働きやすい企業」へと進化します。
《社内体制づくりの取り組み例》
・採用担当や広報に英語話者を配置、または語学研修を提供
・日本語に不安がある社員向けに「やさしい日本語」でのマニュアル提供
・異文化理解を促進する社内セミナーや勉強会の実施
・多言語対応のチャットツールや翻訳支援ソフトの導入
企業としての体制が整っている姿勢は、求職者にとって安心材料のひとつとなります。また、入社後の定着率や活躍にも直結する重要なポイントとなります。
採用サイトの多言語翻訳でよくある質問(FAQ)

グローバル人材の採用が加速する中で、採用サイトの多言語対応は多くの企業にとって不可欠な取り組みとなっています。しかし、実際に翻訳を進めようとすると、「どの言語を優先すべきか?」「自動翻訳とプロ翻訳の違いは?」「翻訳後のチェックは誰がするのか?」といった具体的な疑問や不安が出てくるものです。 ここでは、採用サイトの多言語翻訳に取り組む企業から特によく寄せられる5つの質問を厳選し、分かりやすくまとめました。初めての多言語対応に取り組む方にも、実務担当者として検討を進める方にも役立つ内容となっています。
Q1.どの言語に対応すれば良いでしょうか?
対象とされる外国人求職者の国籍や使用言語により異なりますが、一般的には以下の言語が選択されています。対象となる言語が明確でない場合には、まずは英語のみでスタートし、応募者の属性に合わせて段階的に言語を追加する方法が現実的だと言えます。
・英語(グローバル共通言語)
・中国語(簡体字・繁体字)
・ベトナム語(技能実習生や若手エンジニア向け)
・韓国語(若手エンジニア向け)
・インドネシア語・ネパール語(介護・製造分野など)
Q2.自動翻訳でも問題ないですか?
募集要項/会社概要/お知らせ/ブログ等の情報を伝えるページは自動翻訳でも全く問題ないかと思います。一方、自動翻訳は直訳となる場合が多く、意訳には対応できないため、思いの伝達が必要になる企業理念や代表メッセージなどの主要ページはプロ翻訳での翻訳作業を推奨しています。
Q3.翻訳にはどの程度の予算が必要でしょうか?
プロ翻訳での翻訳作業は、言語や文字数によりお見積りが異なります。また、翻訳体制(1名による単純翻訳、またはネイティブ翻訳〜日本人翻訳家のダブルチェックなど)によっても異なるため、詳しくはお問い合わせください。
Q4. 翻訳後の校正チェックは誰が行いますか?
ネイティブまたはバイリンガルのスタッフによる確認が理想です。社内に適任者がいない場合は、翻訳会社によるネイティブチェックオプションを利用するか、第三者レビューを導入すると安心です。
Q5.翻訳に合わせ、デザインやレイアウトも変える必要がありますか?
言語によってはテキスト量が大きく変化するため、モバイル表示や改行位置に配慮した調整が必要です。また、画像・動画の中のテキストや、文化的に適さない表現がある場合は、ビジュアル面のローカライズが生じる場合があります。
まとめ:多言語対応でグローバル採用を加速させよう
多言語対応の採用サイトは、単なる翻訳対応ではなく、グローバル人材に選ばれる企業になるための第一歩です。国内人材の減少や海外企業との競争が激化する今、言語対応はもはや「あると良い」ではなく「必要不可欠」な要素となっています。
まずは英語対応からでも構いません。自動翻訳の活用や優先ページの翻訳など、できることから始めていくことで、確実に外国人応募者との接点を広げることができます。採用情報を「伝える」だけでなく、「伝わる」ように整えることを心掛けましょう。
東京のブランディング会社 パドルデザインカンパニー

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。
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記事制作/プロデューサー
ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。
Producer
CEO 豊田 善治