経済性を高めることで、財政を確保する。

戦略をコスト面から分析する、事業の経済性を学びます。

Introduction

事業の経済性

事業の経済性とは、戦略をコスト面から分析する考え方です。事業の経済性には大きく5つの要素があり、業界特性や製品ライフサイクルにより、必要な戦略を策定していきます。

●規模の経済性

規模の経済性とは、事業規模が大きくなるほど単位あたりのコストが低下し、競争有利になる効果のことを指しています。そして、規模の経済性を生み出す要因は「固定費」です。製品の材料費は生産量に比例して増減しますが、工場の家賃、設備費、人件費などは固定であることから、生産量が増加することで単位あたりの生産コストが低下します。結果、利益率が向上するなど、事業拡大を図ることができます。

●経験効果

経験効果とは、製品の累積生産量に比例して、単位あたりのコストが低下し、競争有利になる効果のことを指しています。そして、経験効果を生み出す要因は「経験値」です。生産に関わる従業員の習熟度だけでなく、機械や生産体制の効果的な配置や、優れた製品の模倣なども経験とされています。また、経験効果をグラフとして表したものを経験曲線といい、累積生産量を横軸に、生産単位コストを縦軸にすると右下がりの曲線を描きます。経験効果は、生産コストに限らず、企業活動全般に当てはめることができます。

●範囲の経済性

範囲の経済性とは、事業の多角化からシナジーを生み出すことで、単位コストの低下を図ることを指しています。規模の経済性と近い概念ですが、規模の経済性が単一事業に対する考え方であるに対し、範囲の経済性は複数事業に対する考え方である点が異なります。範囲の経済性を生み出す要因は、「経営資源と固定費」の共有です。経営資源の多重利用とも言い換えられます。

●速度の経済性(タイムベース競争戦略)

速度の経済性とは、経営スピードを上げることで獲得できる、経済的便益の総称です。情報獲得のスピード、商品開発のスピード、商品回転のスピード、仕事のスピードなど、あらゆる速度が上がることで、顧客価値や投資効率の向上が可能になります。速度の経済性によるメリットには、先行者優位の獲得、生産から販売に至るまでのリードタイム短縮による機会損失の削減などが挙げられます。

●連結の経済

連結の経済とは、複数の企業・組織間のネットワークが生み出す経済的効果を指しています。具体的には、自社に不足する知識や技術などの経営資源を外部と共有することで補完し、経済的効果を生み出していきます。近年では、連結の経済を想定したM&Aも数多く行われています。

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