インターナルブランディングのプロセス|⑤ツール開発
自社を深く知り、もっと好きになるために。
自社を理解し、誇りを持てるか。ツール制作は、「企業の色」を反映します。
さまざまなツールを、工夫して。
インターナルブランディング活動とは、結局「自社を好きになること」と言い換えることもできます。従業員が自社のビジョンを理解し、共感することで好感を持ち、自社で働くことに誇りを持てること。そのことが従業員の毎日の行動を変え、結果として新規採用や離職率の低下、さらには売り上げ向上に結びつきます。ここでは、従業員が自社を好きになるための、さまざまな施策・ツール例をご紹介します。
●ブランドブック
ブランドコンセプトをまとめたブランドブックは、企業のバイブルともいえるものです。ビジョンをはじめとするメッセージに従業員が共感し、記憶し、自分のものとして日々の仕事に取り入れられる工夫をしながら制作しましょう。
例)イオングループは、漫画家の本宮ひろ志氏監修のもとブランドブックを制作。「すべてはお客様のために」というタイトルで、イオンが持つ理念のもと、働く女性が目標を達成していく様子を読みやすいストーリーにしました。
●行動指針(クレド)ブック
ブランドの行動指針を簡潔にまとめたもの。携行しやすいカードや小型のリーフレット形態にして従業員が日々見返すことができるようにします。
例)リッツカールトン「ゴールド・スタンダード」。クレドの内容をカードにして携帯し、全従業員が徹底。ホテルやレストランなど、従業員のあり方がサービスや企業のイメージに直結する職種では大変効果があるツールです。
●ブランドムービー
ブランドブックの内容を動画にすることで、目指すブランドの世界観を直感的に理解してもらいやすくなります。経営者の人柄や企業への想いを伝えられるほか、従業員で一斉に見ることができるため、大変効果的です。
●社内報や社内ブログ
ブランドに関わる情報をリアルタイムで共有します。理念や歴史を改めて伝えたり、施策の結果を報告したりする役割も担います。顧客の声などを掲載するなども効果的です。
●ユニフォームやバッジの制作
従業員の一体感を醸成するのに効果があります。理念やビジョン、また企業が目指す目標をわかりやすく伝えることも可能です。
例)トリンプ・インターナショナルでは、年間555億円の売り上げ目標を「555キャンペーン」として展開。555をモチーフにしたバッジを制作し全従業員に配るなどの施策を行った。
●ブランドアンバサダーの設置
社内にインターナルブランディング活動を浸透させる役割を担う従業員を選抜。社内報やWebサイトなどを駆使して活動を活性化させるインフルエンサーとしての存在は、トップダウンのインターナルブランディングよりも大きな効果が期待できます。
●表彰イベント
理念を体現するために具体的に何をすれば良いのか、従業員に広く伝えられる施策です。理念に合致した行動をした従業員への表彰を定期的に行うことで、理念への接触頻度を増やし、近い立場の従業員が表彰されることで自分ごと化が容易になります。この施策の注意点は、売り上げに直結しているかどうかのみを基準に表彰者を選ばないことです。
●経営層との食事会
経営層が持つ熱い想いを直接聞くことが、従業員のモチベーション向上の機会となることが多くあります。ミーティングよりも食事会や飲み会など、リラックスして話ができる雰囲気をつくれる会を設けます。
●理念浸透ワークショップ
日頃から理念を伝え、日常の行動にどのように落とし込んでいくかを従業員に考えさせるワークショップを定期的に開催することで、理念浸透の効果が期待できます。
●社内教育機関
従業員が講師となり、業務に必要な知識やコツなどを体系的に教えるシステムをつくります。「スキルアップ」はもちろんのこと、企業理念の社内浸透にも効果があります。
●理念浸透活動の推進
毎週1日、業務以外のことに取り組む時間を設けて、それぞれが理念を体現する活動を行います。毎期の人事評価目標にも項目として取り入れます。
ブランド体現のスパイラルをつくる。
施策やツールにより、社内にブランド体現の兆しが見えてきたら、アンバサダーは社内メンバーに積極的に声を掛け、情報共有していきましょう。情報拡散から社内浸透していくことで「ブランドとしてやるべきこと」「やってはいけないこと」への理解が深まり、「こんなことをしてみたい」というアイデアを生み出しやすくなります。その繰り返しが、ブランド体現のスパイラルへつながっていきます。
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