思いや熱意は、求職者の心を動かす。

採用動画の必要性や特徴、制作のメリットを伝授します。

Introduction

採用動画とは

採用動画は、採用活動の強化にあたり、自社の理念や職場の雰囲気、仕事内容、仕事のやりがいなどを動画にまとめた採用ツールです。採用動画は、合同説明会や会社説明会で上映されるほか、ホームページや採用サイト、YouTube、SNSなどで公開され、自社への興味誘引から応募動機を喚起する役割を果たします。

採用動画はなぜ必要なのか?

業界を問わず深刻な人材不足が顕在化している現代において、優秀な人材の獲得は、企業の成長を左右する最重要課題となっています。優秀な人材は多くの企業から内定を得るため、企業は自社の魅力を余すことなく伝え、求職者から選ばれる努力を重ねなければなりません。その過程で重要な役割を果たすのが採用動画です。
採用動画は、採用サイトや採用パンフレットなど各種採用ツールだけでは伝えることが難しい社風や人柄なども伝えることができるため、企業理解の深化を促す採用ツールとして機能します。短時間で広く深く、かつ正しく情報発信ができる採用動画は、採用活動の強化に不可欠なコミュニケーションツールとして多くの企業で制作されています。

採用動画の主な活用方法は?

採用動画は主に、募集開始から会社説明会の各採用フェーズにおいて、就活生や求職者の応募動機の喚起や企業理解の深化を目的に制作され、興味・関心の喚起、理解の深化、期待の醸成と様々な効果をもたらします。そのため、採用動画は主に次のシーンで活用されています。

●ホームページでの公開
採用動画をコーポレートサイトや採用サイトに公開することで、就活生や求職者の応募動機を喚起することができます。文字情報や写真だけでは伝えきれない想いや人柄が伝わるのも、採用動画の特徴のひとつです。

●SNSでの発信
採用動画をInstagram/Facebook/X/YouTubeなどのSNSに発信することで、企業と社会のタッチポイントを築くことができます。また、SNSは拡散性に優れるため、視聴者の注目を集めることでさらなる拡散が期待できます。

●採用イベントでの上映
就職合同説明会などのイベント会場で上映し、就活生の興味を喚起します。多くの企業が軒を連ねるイベント会場であるだけに、自社を強く印象付けなければ母集団の形成もままなりません。採用動画は、競合他社との差別化に向けた最適なメディアとなっています。

●会社説明会での上映
自社に興味を抱き、より深く企業を知りたいと考える就活生へのアプローチにも採用動画は重要な役割を果たします。採用担当者のプレゼンテーションに加え採用動画を上映することで、社風や実務の理解を促すことができるため、就活生のモチベーションアップやミスマッチの予防にも寄与します。

採用動画にトレンドはあるか?

スマホや5Gの普及により、いつでもどこでも手軽に動画が視聴可能となった現代。YouTube/TikTokに代表される動画系SNSや、Netflix/Prime Videoなどのサブスクリプションサービスの一般化により、様々なプラットフォームで動画が視聴される環境が整いました。一方、動画に慣れた視聴者は、視聴価値を瞬時に判断するようになったため「冒頭でいかに惹き付けられるか」が成否を分けるポイントになっていると言えます。そのため、採用動画を企画の際は、トレンドを意識しなければなりません。

●冒頭で惹き付ける
インターネット動画を分析しているWistia社の調査結果によると、動画が最後まで視聴される平均的な割合は、30秒以内の動画で80%、1分以内の動画で70%、5分以内の動画で60%とされています。時間経過と共に離脱が起きることが想定されるため、冒頭30秒以内に視聴者を惹き付け、引き続き視聴したくなる採用動画を企画することが大切です。

動画が最後まで視聴される平均的な割合
・30秒以内の動画・・・80%
・1分以内の動画・・・70%
・5分以内の動画・・・60%
出典:Wistia社 wistia video analytics : length matters

目安は3分、長くても5分以内にまとめる
ノーテッドが2023年卒・2024年卒の就活生286人を対象に行った調査によると、採用動画を躊躇せず視聴できる尺は、1分未満が24.8%、1〜3分未満が33.9%、3分〜5分未満が23.1%、5分〜10分未満が10.1%、10分以上が8%であり、3分を超えた時点で約4割が離脱してしまう結果となりました。短すぎると伝わらず、長すぎても離脱率が高まることから、採用動画は3分以内を目安とすることを推奨しています。
なお、アメリカHubSpot社の調査によると、Instagramに投稿する動画の最適時間は30秒以内、Xは45秒以内、Facebookは1分以内、YouTubeは2分以内とされていることから、採用動画をSNSで配信する場合には、媒体特性に合わせた再編集・最適化が望まれます。

就活生が採用動画を躊躇せず視聴できる尺
・1分未満・・・24.8%
・1〜3分未満・・・33.9%
・3分〜5分未満・・・23.1%
・5分〜10分未満・・・10.1%
・10分以上・・・8%
※3分を超えた時点で約4割が離脱
出典:ノーテッド株式会社「採用動画の効果的な活用方法に関する実態調査」

●起承転結があり飽きさせない
とりわけ動画視聴に慣れている若年層は、動画を良し悪しする判断が早く「面白くない」と判断すると、それが採用動画であっても早々に視聴を中断してしまう傾向にあるため、採用動画であっても、起承転結のメリハリとテンポの良い構成が不可欠です。

採用動画5つの特徴

1.業務内容や想いにフォーカスしている
2.社員が出演し仕事のリアルを伝えている
3.インタビューや座談会などでメッセージが伝わりやすい
4.職場環境や職場の雰囲気なども直感的に伝わる
5.入社後の自身をイメージしやすい


採用動画には、業務内容や社員の働き方にフォーカスするなど、採用動画ならではの特徴がありますが、自社に適した企画やコンセプトのもと制作を進めることで、機能する採用動画に仕上げることができます。ここでは、効果的な採用動画を制作する上で覚えておきたい要点を5点に絞りご紹介します。

1.業務内容や想いにフォーカスしている

採用動画のターゲットは就活生や求職者となるため、多くの採用動画は、職種ごとの業務内容や事業に対する想いにフォーカスしたストーリーで構成されています。文字情報と写真だけでは伝えきれない情緒的な情報を、映像や音声を交えて直接心に届けることができるのも採用動画ならではの強みです。

2.社員が出演し仕事のリアルを伝えている

営業シーンや現場の様子、ミーティングなど、自社の社員さんが業務風景の演出に出演し、よりリアルな仕事の様子を伝えていきます。大切なのは、就活生や求職者の方に自社業務の理解を促して魅力を感じていただき、ミスマッチを抑止すること。採用動画は企業の採用活動に大きな役割を果たします。

3.インタビューや座談会などでメッセージが伝わりやすい

採用活動の強化を目的に準備される採用サイトや採用パンフレットなどの採用ツールと比べ、採用動画には圧倒的なメッセージ力があります。表情や声、仕草、空気感など、先輩社員の人柄や社風まで感じることができる採用動画では、インタビューや座談会などの各種企画でリアルな声を届けることができます。

4.職場環境や職場の雰囲気なども直感的に伝わる

就業場所となる現場や、オフィスエントランスやオフィス内、ミーティングルーム、カフェスペースに至るまで、一連の流れに乗せて職場環境を見せることで、実際の雰囲気をよりリアルに直感的に伝えることができるのも動画の特徴のひとつです。

5.入社後の自身をイメージしやすい

採用動画を通して業務内容や実際の就業環境を理解し、先輩社員の仕事に取り組む姿勢やインタビューに共感した就活生や求職者は、入社後の自身を具体的にイメージできるようになるため、入社志望度が向上します。

採用動画制作 5つのメリット

1.就活生/求職者の志望度を高める
2.採用後のミスマッチ予防につながる
3.採用担当者の業務負担を軽減できる
4.相対的な採用コスト削減をもたらす
5.SNS拡散による知名度向上も!?


企業の採用活動を強力に後押し、採用担当者の負担軽減にもつながる採用動画。採用サイトや採用パンフレットなどの文字情報や写真だけでは伝えきれない想いや雰囲気までも伝えることができるため、採用動画は就活生や求職者に深くリーチする採用ツールとして重宝されています。

1.就活生/求職者の志望度を高める

仕事内容や事業への想いを実際の社員を通して伝え、インタビューや座談会で実務を深掘りし、現場やオフィスなどの職場環境を隅々まで見せていく。こうして自社らしさを「見える化」することで、就活生や求職者は、入社後の自身をイメージしやすくなります。志望度やモチベーションをより高めるために必要なことは、就活生や求職者の「知りたい」に先回りして応えること。それが採用成功への近道です。

2.採用後のミスマッチを抑止する

企業は、就活生や求職者とのミスマッチが起こらぬよう、合同説明会、会社説明会、一次/二次面接、そして面談などを繰り返し行ないますが、それでもゼロにはできないのがミスマッチです。「やりたい仕事と違った」「思い描いていた企業ではなかった」など、理由は様々ですが、企業が求める人材像と求職者の想いが一致してはじめて「採用成功」と言えることから、採用後のミスマッチが起こらぬよう、多くの企業では採用動画をフル活用し、自社の見える化を図っています。

3.採用担当者の業務負担を軽減できる

比較的少人数で構成される人事部は、人員の数十倍・数百倍以上のエントリーや応募に手厚く対応しなければなりません。また、合同説明会や会社説明会の資料づくりやプレゼンテーション、応募後の一次面接、応募者のフォローアップなど、工数を数えると目が回るほど多忙であると言えます。だからこそ採用動画が必要不可欠です。
会社案内や事業紹介、サステナビリティやCSRの取り組み、福利厚生や教育制度など、従来人事部が担っていた基本的かつ大変な労力を伴う情報提供を採用動画に担わせることで、人事担当者や採用担当者の業務負荷を大きく軽減することができます。現職社員を手厚くフォローし、限られたリソースを有効活用することも優秀な人材確保の秘訣です。

4.相対的な採用コスト削減をもたらす

企業が人材採用を促進するためには、一般的にはリクナビやマイナビをはじめとする募集媒体による出稿や、学校訪問、就職イベントへの出展などを積極的に行うことで自社の露出を高め、応募の母集団形成を図らねばなりません。また、ご応募いただいた就活生や求職者の理解を深め、丁寧なフォローアップで志望度を高めることが大切です。これら取り組みのどの段階においても重要な役割を果たすのが採用動画です。

自社の理念や事業内容、現在の取り組みや仕事内容などの動画をホームページや募集媒体上で公開することで、就活生や求職者の興味を喚起できます。また、会社説明会においても人事担当者のプレゼンテーション力に依存するのではなく、採用動画にその役割を担わせることで、安定した効果を発揮することができます。

採用動画は、応募の母集団形成や志望度の向上と併せて、人事担当者の負担も軽減させるため、これまで以上に応募者のフォローアップに注力できるようになります。応募者が途中離脱せぬよう、内定承諾の段階までモチベーションが維持されるよう取り組める体制が採用動画のサポートにより構築されるため、相対的な採用コスト削減効果をもたらします。

5.SNS拡散による知名度向上も!?

消費者行動モデルとして提唱されてきたAIDMA(アイドマ)は、Web時代の到来によりその形をAISAS(アイサス)へと進化させました。そして2015年、AISASの発展系としてDual AISAS(デュアル・アイサス)が電通により提唱されました。

・Attention(認知)・・・広告やメディアにより情報を認知する
・Activate(起動・活性化)・・・認知した情報を広げたいと考える
・Interest(興味・関心)・・・情報に興味・関心を抱く
・Search(検索)・・・インターネットで情報を検索する
・Action(行動)・・・購買行動を行う
・Share(共有)・・・結果や感想をインターネットで共有する

このDual AISASに示されるように、認知した情報に消費者が興味を抱くと、関心を深める前に「広げたい」と考える心理が働きます。動画はWebサイトや紙媒体と比べ圧倒的な情報伝達力を誇るため、SNSでの拡散から企業の認知度向上も期待できます。

採用動画 制作事例5選

採用動画の主な役割は、仕事のリアルやそこにある想いを伝え、就活生や求職者の興味・関心を高め、理解を深めること。そして応募動機を喚起し、モチベーション向上を図ること。目的達成に向け、企画/制作された採用動画の制作事例5選をご紹介します。

1.カジマ・リノベイト株式会社|補修って、未来だ

売り手市場である新卒採用において、学生のエントリー獲得が同社の大きな課題となっていました。大手ゼネコンに優秀な学生が流れてしまう状況の中、土木構造物の補修・補強という、いわばニッチな仕事に興味を抱いてもらうにはどうしたら良いのか。今回の採用動画制作にあたり「補修の重要性」に着目し企画立案に着手しました。

古くなったものを壊して作り変えるのではなく、補修・補強しながら大切に使い続ける「意義」と「意味」。そして、そこにある想いを伝えるコンセプトを熟考し「補修って、未来だ」を開発。一人の男性のモノローグを通じて仕事のやりがいを伝えるオリジナルストーリーを構成し、オーディションからキャスティング、現場での撮影、ナレーション収録などを行い、ショートドラマ仕立ての採用動画に仕上げました。完成した採用動画は、「補修」の言葉にネガティブな印象を持っていた学生を変えただけでなく、社員を勇気付けるブランドムービーとしても機能しています。

制作事例
カジマ・リノベイト株式会社|補修って、未来だ

2.株式会社大林組(土木職採用)|OBAYASHI NUMBERS

新卒採用の強化に向けた連動ツールとして、採用案内パンフレットで紹介した2年次社員の1日に密着した採用動画を制作。採用パンフレット内のQRコードから採用動画へと遷移させることで、新卒生に近い先輩社員のリアルな一日を知ることができる企画となっています。
採用動画では、現場の雰囲気や大林組職員の立ち位置を伝えると共に、学生と近い年齢の社員が仕事における困難をどのように捉えているのか、どのような喜びを見出しているかなど、等身大の言葉で表現しています。

制作事例
株式会社大林組(土木職採用)|OBAYASHI NUMBERS

3.株式会社東京ミライズ|東京ミライズの座談会

入社2年目となる社員2名と4年目の先輩座談会を、執行役員がファシリテーションする「東京ミライズの座談会」。入社に至った経緯や仕事のやりがいなど、社員の本音を聞き出すことで、終始笑いの絶えない座談会となりました。社歴や立場にとらわれず、全員が等身大の姿勢で向き合える社風を感じることのできる採用動画に仕上がっています。

制作事例
株式会社東京ミライズ|東京ミライズの座談会

4.株式会社細田組|見たこともない私へ

若手、外国籍、ベテラン社員まで、4名の社員がそれぞれの体験談を語っていただく採用動画です。ロケ地は、都内2ヶ所の工事現場。現場のスケール感やライブ感のある映像をインタビューのインサートとして使用することで、入社後の業務をよりリアルに伝えています。また、入社後どのように不安が解消され、自身が成長できたかを紹介しています。細田組に入社することで「見たことのない私」になれることを、採用動画を通じて求職者にアピールする構成です。

制作事例
株式会社細田組|見たこともない私へ

5.株式会社八王子薬剤センター|薬剤師として、一生成長できる薬局。

長引くコロナ禍の影響で学生に直接会う機会が減少している最中でも効果を発揮するツールとして採用動画をご提案・制作しました。3名の薬剤師にインタビューを行い、自身が目指す理想の薬剤師像を語っていただくことで仕事のリアルを伝えています。インタビューに合わせて職場の雰囲気や業務の様子をインサートし、社風や環境も同時に伝わる採用動画に仕上げています。

制作事例
株式会社八王子薬剤センター|薬剤師として、一生成長できる薬局。