独自性を伝え差別化を図る「ブランディング動画」
違いはいずれ、ファンをつくる。
ブランディング動画の必要性や特徴、制作のメリットを伝授します。
ブランディング動画とは
ブランディング動画(ブランドムービー)は、企業や製品/サービスなど、ブランドのビジョンやミッション、コンセプト、世界観など、そのブランドが伝えたい思いを表現した動画の総称です。主にブランドイメージ/ブランドロイヤリティ(※1)/ブランドエンゲージメント(※2)向上を目的に制作される動画で、直接的なプロモーションを行わないのが特徴です。
※1.ブランドロイヤリティとは
特定のブランドに対する消費者の忠誠心や選考度を意味しています。分かりやすく言い換えると、消費者がそのブランドへの愛着心をどの程度抱いているかを指しており、類似サービス・製品であっても、ブランドロイヤリティの度合いにより、消費者は特定のブランドを選考しています。
※2.ブランドエンゲージメントとは
ブランドとの絆を指しており、「従業員のブランドエンゲージメント」「消費者のブランドエンゲージメント」の2つに分類されます。企業にとって最も大切な経営資源と言える従業員は、事業運営に不可欠な資産であるため「従業員のブランドエンゲージメント」強化は最も重要なブランディング施策のひとつであると言えます。また、「消費者のブランドエンゲージメント」強化も、消費者本人による購買行動はもちろんのこと、本人の周囲や口コミなどでブランドに対する良い感情を伝播してくれるなど、直接・間接的に良い効果を生み出します。
ブランディング動画はなぜ必要なのか?
あらゆる業界において熾烈な競争が繰り広げられ、類似する製品やサービスが乱立する現代において、いかにして他社との差別化を図れるかが企業の命運を左右する重要な課題となっています。開発競争はやがて市場を成熟させ、価格競争へと発展するため、そうなる前に自社独自性の浸透を図る施策が不可欠です。そうした差別化施策として制作されるのがブランディング動画です。直接的なプロモーションではなく、本質的な価値をステークホルダーに浸透させ、ブランドの付加価値を築き上げることで、単純な価格競争を回避することができます。
制作事例:本質的な価値訴求を目的としたブランディング動画
三洋貿易株式会社|探求編
ブランディング動画はどこに公開すると効果的?
最も多く公開されるプラットフォームはホームページ(コーポレートサイト)です。TOPページやブランド紹介ページに再生フィールドを設け、来訪者に動画の閲覧を促すことでブランド浸透を加速していきます。また、自社で開設するYouTubeチャンネルやInstagram/Facebook/XなどのSNSに公開することで、ブランディング動画の拡散効果も期待できます。
制作事例:コーポレートサイトで公開されるブランディング動画
三洋貿易株式会社|コーポレートサイト
ブランディング動画のターゲットは?
ブランディング動画はすべてのステークホルダーに向け、ブランドの想いや姿勢を発信する目的で制作されるためオールターゲットとなりますが、従業員が自社ブランドを深く理解し、ブランドプロポジション(※3)を実践することで、はじめて市場優位性を築くことができるため、中でも重要となるコアターゲットは自社の従業員であると言えます。従業員という視点では、新卒・中途を問わず求職者もコアターゲットに含まれます。次いで取引先や顧客などの事業関係者や消費者がターゲットとなります。
※3.ブランドプロポジションとは
ブランドが提供可能な固有の特徴と、消費者が潜在的に求める価値の接点。ブランドと消費者が互いに共有できる固有の価値・存在意義をブランドが提唱するもの。
ブランディング動画 5つの特徴
1.ストーリー性がある
2.過剰なアピールをしない
3.本質的な価値を伝える
4.感情や感覚に訴える
5.口コミやSNSで拡散しやすい
ブランディング動画は、企業/製品/サービスの持つブランドの理念や世界観にフォーカスし、情緒的な訴求を行うことで、視聴者の心を動かす役割を担います。そのため、企画/シナリオ構成がより重要となり、キャスティング、ロケ、ナレーション、BGMなどの各制作工程においてクオリティの高さが求められます。
1.ストーリー性がある
企業のブランディング動画では、MVVやスローガン、ブランドコンセプトなどの理念体系を軸にコアコンピタンスが視聴者に伝わるシナリオを構成していきます。一方、製品のブランディング動画では、製品の優位性に加え、ブランドの特徴や世界観が直感的に伝わるシナリオ構成を目指します。ブランディング動画は、プロモーションに活用される動画と比べ長尺で構成されるため、視聴者を飽きさせないシナリオ構成でストーリー性を持たせることが大切です。
2.過剰なアピールをしない
ブランディング動画は、企業理念や姿勢、製品のコンセプトなど、ブランドの根幹となる社会的役割や使命、想いなどを伝え、視聴者の共感を生み出すことで、ブランドのファン獲得やブランドエンゲージメント強化、ブランドロイヤリティ向上を目的に制作されます。ゆえに、機能性訴求や価格訴求などの過度なアピールを避け、本質的な魅力を伝えていくことが大切です。
3.本質的な価値を伝える
企業の本質的な価値には、企業の経営方針である企業理念やブランドコンセプト、サステナビリティ(SDGs)、CSRなどがあり、事業運営と密接な関係性にあります。製品やサービスのバリュープロポジション(※4)を伝えるとともに、その根幹にある想いを伝え、消費者との共感を生み出していくことが大切です。
※4.バリュープロポジションとは
企業が顧客に提供する価値を表したもの。製品やサービスのメリットなど、「自社が提供できて、競合他社では提供できない、顧客が求める独自の価値」を指しています。まさに企業の存在価値そのものと言えます。
4.感情や感覚に訴えやすい
喜怒哀楽を刺激するストーリー性があり、過剰なアピールをせず、本質的な価値を伝えるブランディング動画は、視聴者の感情や感覚に訴えやすい特徴を持たせることができます。繰り返しになりますが、大切なのは企業や製品/サービスのファンを獲得すること。ブランドエンゲージメントの強化やブランドロイヤリティを高めていくことで、他社との差別化を図ることが肝要です。
5.口コミやSNSで拡散されやすい
繰り返し何度も見たくなる、家族や知人、友人など誰かに紹介したくなるなど、共感を生み出すブランディング動画は、口コミやSNSで拡散されやすいという特徴があります。自社サイトへの掲載はもちろんのこと、自社で運営するYouTubeチャンネルやInstagram/Facebook/XなどのSNSに公開することで、拡散が期待できるのもブランディング動画の特徴のひとつです。
ブランディング動画制作 3つのメリット
1.ブランドイメージが向上する
2.ブランドロイヤリティが高まる
3.ブランドエンゲージメントが強化される
ブランディング動画の視聴者に良好なブランドイメージを与えることで、企業・商品・サービスの好感度を高めていくことができます。企業/商品/サービスのブランドイメージが向上するのはもちろんのこと、既に顧客となっている消費者が抱くブランドへの愛着度や信頼度をさらに向上させる効果が期待できます。また、企業のブランドプロポジションを実践する従業員とのブランドエンゲージメント強化も期待できます。
1.ブランドイメージが向上する
消費者のKey Buying Factor(KBF:購買決定要因)は価値観により様々ですが、すべてのステークホルダーに対しKBFを後押しするブランドイメージ向上を図ることができます。ブランドイメージ向上は、やがてブランドロイヤリティを高め、いち消費者をブランドのファンへと押し上げていきます。
2.ブランドロイヤリティが高まる
導入期/成長期にある製品・サービスは、市場ニーズに後押しされ飛躍的な成長が期待できる一方、やがて訪れる成熟期/衰退期ではいかにして他社との差別化を図れるかが製品/サービスの命運を左右します。ブランディング動画は、導入期/成長期にある製品/サービスの市場浸透を下支えするだけでなく、ブランドイメージ醸成による成熟期/衰退期での差別化を実現します。
3.ブランドエンゲージメントが強化される
ブランディング動画は、自社ブランドの社内浸透による従業員とのブランドエンゲージ強化はもちろんのこと、事業関係者である取引先との信頼関係構築にも寄与します。また、消費者へのブランドイメージ浸透により、企業/製品/サービスの認知度や信頼度が高まり、結果、ブランドエンゲージメントの強化へと繋がります。
心を動かすブランディング動画 制作事例3選
ブランディング動画5つの特徴を持ち、ブランディング動画制作3つのメリットをもたらすブランディング動画の代表的な制作事例3選をご紹介します。
1.鎌ケ谷巧業株式会社|父はヒーロー
誰のために、そして何のために、日々仕事に取り組むのか。鎌ケ谷巧業で働く一人の社員とその娘の生活にフォーカスしたブランディング動画を企画制作しました。舞台は、人生の大きな節目である結婚式。本編では父が子を想う愛情と、素直になれなかった娘の本当の気持ちを表現。まっすぐ、強く、日々の仕事と娘に向き合い続けてきた父親の姿をリアルに描くことで、「まっすぐ、強く。巧であれ。」という同社の想いを表現しています。
制作事例
鎌ケ谷巧業株式会社|父はヒーロー
2.鎌ケ谷巧業株式会社|手紙
ブランディング4年目の取り組みを継続し、企業としてのさらなる発展とインナーブランディングの強化、採用力アップを目的としたブランディング動画を制作。ストーリーも前作の続編とし、引き続き「感動」をテーマにシナリオを構成。鎌ケ谷巧業の社員と家族にフォーカスしたドラマ仕立てのブランディング動画です。
前作「私のヒーロー」篇から十数年後の親子の姿を描いた今作。時が経ち身の回りの生活が変化する中、仕事に対する想いや家族に対する愛情は変わらずに暮らす親子の姿を描くことで、「まっすぐ、強く。巧であれ。」という鎌ケ谷巧業の想いを表現しました。
制作事例
鎌ケ谷巧業株式会社|手紙
3.鎌ケ谷巧業株式会社|母の声
鎌ケ谷巧業の社員と家族にフォーカスしたドラマ仕立てのブランドムービー第3弾(完結編)を制作。ストーリーは前作の続編とし、引き続き「感動」をテーマに企画しています。 第1弾「私のヒーロー」編、第2弾「手紙」の映像を用いて、亡き母親が父娘を見守り空から声をかける設定で展開します。娘は成長して母となり、仕事・家族への愛情を貫いた父親の定年を見届けた母親の喜びを台詞にすることで、お互いを思い合う家族の強い絆を表現。「父娘の気持ちはしっかりと母へ届いていた」というハッピーエンディングで、同シリーズの完結編としました。
制作事例
鎌ケ谷巧業株式会社|母の声