人材採用 成功の秘訣
選ぶ前に、選ばれること。
大切なのは、らしさの具現化と誠実さ。新卒と中途では、仕事に求める条件も異なります。
人材採用において大切なこと
人材採用において最も大切なのは、組織そのもののあり方や考え方、待遇・福利厚生などを改善し、本質的に選ばれる企業になることですが、そのうえで求職者目線に立ち、求職者が知りたいと思う情報がもれなく伝わるよう情報設計を行うことです。
また、企業そのものの魅力や、仕事のやりがい、社会貢献への取り組みなど、求職者のモチベーション要素となる情報を適切な言葉で伝え、他社と差別化された自社優位性の理解から選ばれる取り組みを行うことが肝要です。さらには、内定通知までのスピード感や情報の伝え方、採用フェーズに合わせた計画的な情報提供なども選ばれる要因の一つとなっていきます。
●いち早いアピールで、いち早い内定承諾を目指す
厚生労働省の調査によると、2015年度の大学・短大卒業見込み総数は約61.9万人、内就職希望者は約48万人となっており、高専・専修卒生の就職希望者約22.1万人と合せると就職希望者は約70.1万人となります。それに対し、有能な新卒学生の採用を求める定期採用企業は1万社以上と言われています。他社に遅れることなく、差別化された採用案内によって求職者にアピールし、いち早く内定承諾を得ることが人材採用成功の秘訣だと言えます。
●何を伝えるかと、どう伝えるか
自社ならではの「違い」をデザインする際、「どう伝えていくか」も重要なポイントとなります。大切なのは、「どう伝えたか」ではなく、「どう伝わったか」。伝え方を間違えると、本来伝えたいことが正しく伝わらないばかりでなく誤解を受け、ネガティブに伝わりかねません。情報提供を行う際は企業側の一方的な押し付けにならないよう、社会のニーズや学生の思いを念頭に、相手の立場で物事を考え、業界の専門用語は極力使わずに、理解しやすい直感的な言葉で伝えていくことが大切です。
●当たり前のことでも、もれなく丁寧に伝える
業界では当たり前のことでも、社会人デビューとなる新卒学生には全てが新鮮に映ります。また、本当は整えられている制度であっても、もれなく伝えていかなければ求職者には伝わりません。自社優位性を少しでも高めていくためには、事業のこと、制度のこと、教育のこと、福利厚生のこと、そして考え方についてなど、その一つひとつを掘り下げ、自分たちの言葉で丁寧に伝えていくことが大切です。
●学生の求める、「義」と「利」を理解する
就職氷河期にあった安定志向の就活生は今や少数派となり、多くの新卒学生が「仕事の意義や意味」を考えるようになりました。同時に、売り手市場が続く新卒採用において、優秀な学生は多くの企業から内定を受け、福利厚生や給料などの待遇を比較・検討します。 「やりがいのある仕事」というだけでは優秀な学生の採用は難しく、「待遇が良い」だけでは、また採用が難しい時代にあります。自社の商品・サービスにおいて、自社がやるべき、自社だからできる、そして人のためになるという「義」の観点と、福利厚生の充実や給料面での高待遇など、スキル形成と正当な評価(先行投資)が両立して初めて優秀な学生を獲得できる時代であることを理解して採用活動に挑まなければならないのです。
●試す前に、試されていることを理解する
今、人材市場は完全な売り手市場です。優秀な新卒学生は多くの企業から内定を受けます。そして、その内定は、業種・業態を問わないことから、新卒学生の採用を行う企業の全てがライバルだと言えます。 企業が発展するためには優秀な人材が不可欠であり、優秀な人材こそ企業を発展される唯一無二の経営資源だからこそ、どの企業も新卒採用に多大な労力をかけるのです。優秀な学生達はそのことを理解しています。だからこそ、「選ぶ前に、選ばれる取り組み」に真摯に取り組まなければ、採用活動の本当の成功を得ることはできません。 学生を試す以前に、学生に試されていることを理解し、自社の魅力を、まっすぐ、強く、伝えるための採用施策に取り組まなければならないのです。パドルデザインカンパニーでは、「差別化された採用施策=採用ブランディング」と捉え、学生のインサイト(本音)を念頭に据えた、学生に届く施策を企画することで、企業側と求職者の架け橋になれるよう取り組んでまいります。
●優秀な人材はお金のためだけに働かない
自社が求める人材セグメントからの応募が無い、求職者からの応募が少ない、採用内定者の辞退が多い、社員の離職率が高い…これらの状況に心当たりはありませんか? このような場合、多くは給与や福利厚生などの待遇面だけにあるのではなく「採用ブランド」力の不足が多大な影響を及ぼしています。優秀な人材ほど給与や福利厚生などの待遇面ではなく「やりがい」「社風」「社会貢献」などのモチベーション要素を重視する傾向にあります。 優れた人材を獲得するためには、自社の魅力を最大限に伝え「刺激的でやりがいもあり、熱意をもって取り組める会社」「この人たちと一緒に働きたい」「自身の能力向上を望めるスキルトレーニングがある会社」などと感じてもらわねばなりません。
採用ブランディング 3つのポイント
これまで、優秀な人材採用の成功に向けた「採用ブランディングの秘訣」をあらゆる角度からご紹介してきましたが、採用ブランディングに不可欠なポイントを3点に絞り、簡潔にご紹介していきます。最初にすべきことは、「企業ビジョンの明確化」、「戦略ドメインの明示」、「モチベーションコンテンツの充実」であり、これらの具現化をすることで、自社らしさ、誠実さ、やりがいなどを伝えていきます。
●POINT1.企業ビジョンを明確化する
企業のビジョンとは、将来、自社のあるべき姿を明確化し、長期的な企業の方向性として社内外に表明するものであり、経営理念に基づくビジョンとミッションによって表わされます。求職者に「夢を描ける企業」であることを訴求するためには、経営理念や経営目標の標榜、代表者や事業部門長からのメッセージなどによって企業体としてのベクトルを明確化する必要があります。
●POINT2.戦略ドメインを明示する
戦略ドメインとは、長期的な企業の方向性であるビジョンを達成するため、自社が優位性を築く事業領域を指します。企業の倒産やリストラなどが求職者にとって身近な問題となっている昨今、市場環境が激変する中にあっても安心して働ける企業であることを明示する必要があります。 標的市場の将来性や市場におけるポジショニング、顧客ニーズを満たす独自能力についての情報開示やストロングポイントの訴求などにより、「安心して働ける企業」である論拠を力強く明示する必要があります。
●POINT3.モチベーションコンテンツの充足を図る
モチベーションとは『行動に繋がる動機』を指し「人の役に立ちたい」「能力を高めたい」「面白い仕事がしたい」などがモチベーションに該当します。上昇思考の高い人ほど給与や福利厚生などの待遇面よりも、モチベーション要素を重視する傾向が強いため、優秀な人材の確保にはモチベーション・コンテンツの充足が欠かせません。 採用案内作成時におけるモチベーション・コンテンツは、社会的価値(社会貢献)を伝える企業ビジョンの明確化や活気溢れる社風、能力研鑽に適した教育体系、共に成長出来る仲間たちなど、豊富なコンテンツとビジュアル訴求によって「自己実現できる企業」であることを訴求する必要があります。
求職者の心に届き、響く、採用案内ツールをデザインする
採用活動において最も大切なのは、「どう伝えるか」ではなく「どう伝わったか」。言語化しきれていないメッセージを明文化すると共に、写真やイラスト、音や映像などの様々な手法をもって具現化していくことで、本当に伝えたいこと、伝えるべきことを、正しく、もれなく伝えるよう採用案内ツールをデザインしていきます。
●理解の深化から共感へと導く、採用案内をデザインする
では、どのような採用活動、採用案内を行うべきでしょうか。優秀な人材は企業の売り上げに多大な影響を及ぼし、企業の未来を形成する最重要要素の一つに挙げられることから、求職者への情報提供だけではなく、理解の深化から共感へと導くことで優秀な人材を確保すると同時に、求職者のモチベーションを高める採用案内が必要不可欠です。
●わずかな「差」ではなく、あきらかな「違い」を見つけデザインする
前記にある通り、定期採用企業は1万社以上あると言われ、その全てが有能な新卒学生の採用を求めています。なかでも、理系学生や、資格を有する(または取得予定)など、高度なスキルを有する新卒学生は引く手数多であり、多数の企業から内定を受けることになります。 自社で働く「やりがい」を伝え、自社の魅力を最大限までアピールするだけでなく、新卒学生に選ばれる企業になるためには、わずかな「差」を競うのではなく、自社ならではのあきらかな「違い」を見つけデザインすることが大切です。 「違い」がない、と言われる企業も多数ありますが、必ず違いはあります。「違い」を見つけ、磨き、デザインすること。それが、採用活動における成功の秘訣です。
●情報と情緒を伝える、採用案内ツールの役割
採用案内ツールの制作において大切なのは、媒体特性や採用フェーズを念頭に置いた情報設計です。多くの求職者と出展企業で賑わう採用フェアにおいて、能動的なアプローチが可能な採用案内パンフレットは、求職者の興味喚起から記憶に残るコンテンツ掲載を行うことが大切です。 採用案内サイトでは、リクナビ、マイナビに代表される採用媒体や、採用フェアで認知した求職者がさらなる情報を求め自社採用サイトへ流入することを念頭に、ブランド体験や理解の深化を促す情報発信を行い、エントリーへと誘う仕組みづくりを行います。 また、採用案内動画では、紙媒体やWebでの文字訴求では理解に時間を要するインタビューやワークフローを中心にストーリーを構成し、音と映像、さらにはテロップなどを用いて「情緒」を伝え、求職者の心を掴む役割を担います。
●採用フェーズに合わせた、計画的な情報提供
リクナビやマイナビに代表される求人媒体で求人情報をキャッチし、採用イベント、会社説明会、面接などといった流れを多くの企業が取り入れていると思いますが、大切なのは、「求人媒体の情報を焼き直し整えて説明するだけの場にしないこと」です。 企業側が求職者の学歴や経歴、スキルなどをより深く知りたいと思うように、求職者も応募企業をより深く、正しく、かつ多面的に知りたいと思うのは当然のこと。であれば、いつ、誰が、何を、どのように伝えて行くのか。エントリーの段階、会社説明会の段階、合同面接の段階、個別面談の段階など、選考フェーズに合わせ「この企業で働きたい」と思わせるような情報提供と取り組みが不可欠なのです。
●コンセプトをデザインする
採用の課題や目的にあわせ、一貫性のある採用コンセプトを開発します。そのうえで、採用活動全体を包括するコンセプトのもと「何をどのように伝えるか」という表現方法やデザインを検討していくことが大切です。
●採用ストーリーを設計する
一貫性のあるメッセージでイメージ形成を図るとともに、選考の段階ごとに情報を提供する「採用ストーリー」を設計します。認知・興味喚起・理解促進・共感・理念浸透など、適切なタイミングで適切なメッセージを発信しすることが大切です。
中途採用に適した情報提供と表現方法
中途(キャリア)応募は、新卒応募とは異なり、待遇や福利厚生など、自らのキャリアをより高く評価してくれる企業を模索すると同時に、自らの夢や目標を叶えることのできそうな企業を厳選して応募する傾向にあります。そして即戦力となる中途(キャリア)人材は、人材不足の昨今もあり業界経験者であれば尚更に引く手数多であることから、採用成功は困難を極めると言えます。 そうしたキャリア人材の採用成功率を高めるための情報提供は、新卒とは明らかに異なり、より具体的かつ現実的なメッセージと情報訴求が必要不可欠であることを念頭に、その秘訣を伝授します。
●企業価値を印象付ける、具体的な情報提供が成否を分ける
必然的に同期入社が少なくなる中途(キャリア)採用では、「年収」「年功序列」 or 「実力主義」「中途(キャリア)採用者の比率や入社後」など、入社後の勤務環境について、新卒採用よりも現実的かつ具体的な情報が求められます。故に、新卒(定期)採用者と比べて不当な扱いを受けないか、これまで培ってきた経験が活かせるか、再転職する事態にはならないかなど、中途(キャリア)採用者ならではの切実な不安の解消が不可欠となるのです。 また、中途(キャリア)の求職者は、前職で叶うことのできなかった企業や業務への要望を抱えていることが多く、給料や福利厚生はもちろんのこと、働き方や仕事の進め方に至るまで、求職者の要望を受け入れる企業側の柔軟性が求められます。 中途(キャリア)採用の強化を目的とする採用案内サイトや採用案内パンフレットでは、企業姿勢やビジョンなど、自社のありたい姿をインパクトあるビジュアルで具現化するだけでなく、企業としての柔軟性や、実績・安定性・将来性など、企業価値を印象付けるコンテンツの充実が不可欠です。
●絶対評価での選考を想定したペルソナ設定
多くの求職者が一堂に集う新卒採用では、自社の選考基準に求職者を照らし合わせ、相対評価にて人材選考を進めて行きますが、中途(キャリア)採用では個人の人柄やスキルそのものを評価し、絶対評価で選考を進めて行かなければなりません。 また、中途での求職者は、各企業に応募するタイミングもまちまちである事から、内定通知までのスピード感が採用成功に多大な影響を及ぼします。この事から、中途(キャリア)採用を行う際は、事前に「求める人材像」を具現化し、慎重かつ迅速な選考が公平に行える体制を整えなくてはなりません。
●中途採用のキラーコンテンツ「柔軟性」と「安心感」
前記した通り、中途(キャリア)の求職者は、前職で叶うことのできなかった企業や業務への要望を抱えていることが多く、給料や福利厚生はもちろんのこと、働き方や仕事の進め方に至るまで、求職者の要望を受け入れる企業側の柔軟性が求められます。 このことから、中途(キャリア)採用の強化を目的とする採用ブランディングでは、求職者が前職を離職するに至った主な原因を念頭に、求職者の要望に応える企業であることが伝わるメッセージの開発を行うことが肝要です。 また、実績・安定性・将来性など、企業価値や安心を促す情報は、できるだけ直感的に伝わるよう、チャートやグラフなどのインフォグラフィックを用いて具現化すると効果的です。
●本音だからこそ伝わるメッセージがある
中途採用の出会いは、まさに一期一会であり、企業が求人募集を行うタイミングと、転職希望者がアクションに起こすタイミングが一致することで、はじめて双方のタッチポイントが生まれます。転職希望者は、自身にとって絶好のタイミングを見計らいながらも、いち早く次の勤務先を決定したい気持ちと、自分にとって最善の条件提示のある企業に転籍したい思いを併せ持つことから、応募企業を厳選し、これぞ!と思い至った企業のみにアプローチしていく傾向が見られます。 すなわち、全ての応募が本気であると言えるのです。であれば、企業として伝えたいメッセージも、建前は最小限に本音でぶつかり合うことが、転職希望者の心に深くリーチする「採用ブランディングのコミュニケーションの本質」である、と私たちは考えています。
採用成功がゴールではない「採用ブランディング」
成長期にある企業は、リクルーティング支援サービスなどを活用しながら、採用基準なども整備して、体系的な採用を実施することになりますが、このフェーズになると「採用ブランディング」を意識することが極めて重要となります。 成長期にある企業の多くが抱えている課題は優秀な人材の採用と育成ですが、事業が順調に拡大していく一方で人材が追いつかない状況は、絶好のビジネスチャンスを逃すに等しい行為と言えます。そして、加速的に増大する仕事量を効率的・効果的に処理し、併せて顧客満足度をも高めるためには、やはり優れた人材が不可欠です。 しかし、採用することばかりに捉われ、その場限りの誇大表現や、自社らしさに則さないデザイン表現は、採用後の離職率を高めるばかりでなく、事業の停滞や退職による社内のモチベーション低下を招きます。採用に成功しても、その後の定着なき採用に価値はないのです。 だからこそ重要なのが、自社の独自性(自社らしさ)を具現化であり、理解・共感から採用に至る人材であり、そのための採用ブランディングなのです。
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