軌跡や取り組みを伝え、未来へとつなぐ「周年動画」
軌跡の継承から、さらなる成長へ。
周年動画の活用方法や特徴、制作のメリットを伝授します。
周年動画とは
周年動画は、企業や事業の節目となる5年、10年刻みでの周年を記念し制作される動画で、周年イベントで上映されるほか、コーポレートサイトやブランドサイト、YouTubeなどに公開され、ステークホルダーにこれまでの感謝を伝えると共に、自社の軌跡や現在の取り組み、未来の展望などを伝えることでブランドエンゲージメント強化を図ります。
周年事業は、ステークホルダーとの貴重なコミュニケーション機会であり、企業の未来を示唆する重要な取り組みであることから、自社ブランドの発信に向け、周年動画だけでなく、周年サイトや周年記念誌、周年グッズなど、あらゆる周年ツールが制作されています。
周年動画はなぜ注目されているのか?
周年事業は、ステークホルダーとのエンゲージメント強化を図り、強い組織づくりを行うことができる絶好の契機です。周年を契機としたリブランディングが多くの企業で実施されており、企業の歴史や成長の歩みを社員に正しく共有し、ミッションやビジョンに込められた想いを改めて共有することで、企業の想いを広く・深く伝えることができます。
ブランディングにおいて最も課題となるのは社員とのエンゲージメント。この点にも効果的なコミュニケーション施策として、周年動画は必要不可欠なツールとなっています。
周年動画の主なターゲットは?
企業の周年事業は、全方位的なステークホルダーを対象に実施されますが、最も重視されるステークホルダーは自社の社員です。周年を契機に社員とのコミュニケーションを図り、ブランドエンゲージメント向上から、インナーブランディングの強化、そしてさらなる企業成長の原動力を養うことが大切です。ここでは、ステークホルダー別に周年事業で実施される代表的なコミュニケーション例をご紹介します。
●社員
周年事業において最重視すべきステークホルダーである自社社員とは、周年イベントやパーティ当日だけでなく、イベント準備期間や周年ツール制作プロセスを通してコミュニケーションが図られます。なかでも周年動画や周年サイトは、社員インタビューや座談会などを通して社員自身が周年事業に参画することで周年事業を自分ごと化して共有できるため、多くの企業で採用されています。
●社員のパートナーやご家族
社員を支えるパートナーやご家族も重要なステークホルダーであるため、周年イベントやパーティに招待し、日頃の感謝をまっすぐに伝えていくことが大切です。例えば「周年動画を通して感謝のメッセージ伝える」などのサプライズも大切なパートナーやご家族からの好印象につながります。周年サイトや周年記念誌/ブランドブックなどを活用し、会社からのメッセージを伝えるなども効果的です。
●顧客(取引先企業)
主要顧客の担当者や代表者を周年イベントやパーティに招待し日頃の感謝を伝えると共に、今後のビジョンや自社ブランドを共有することで、さらなる信頼関係の構築からブランドエンゲージメント強化を図り、顧客のファン化を目指します。また、周年サイトや周年動画を通して企業の歴史や成長のあゆみ、現在の取り組み、そして未来の展望を共有することで、自社への期待を集めることも大切です。
●顧客(消費者)
B2Cビジネスを展開する企業では、消費者を対象に周年限定モデルの発売や周年グッズのプレゼントキャンペーンを展開するなどの取り組みが行われています。周年限定品は消費者に特別感を与えるなどのインサイトを刺激するため、ファン層から高い人気を集めています。また、周年サイトや周年動画などの周年コンテンツを展開し、ブランドの歴史や世界観を共有することで、さらなるブランドロイヤルティの向上を図ることも大切です。
●協力企業やパートナー企業
多くの企業にとって協力企業は大切なビジネスパートナーであり、協力企業があってはじめて事業活動を継続することができます。日常業務では伝えきれない感謝の想いを、周年イベントやパーティを通し改めて伝えることで、エンゲージメントのさらなる強化を図ります。また、周年記念品(周年グッズ)を介して自社ブランドの世界観を共有し、パートナーとの意思疎通を強めることも大切です。
周年動画にはどのような活用方法があるのか?
周年動画は、周年イヤーとなる1年間を通してあらゆるシーンで活用され、ステークホルダーへの情報発信やブランドコミュニケーション強化の役割を担うほか、採用活動の場では企業理解の深化に大きな役割を果たします。ここでは、周年動画の代表的な活用方法を紹介します。
●周年イベントやパーティーでの上映
一般的に周年イベントやパーティーは、従業員とそのご家族、主要顧客や取引先を招いて行われます。企業・企画により当日のイベントは様々ですが、オープニング動画、周年動画、ブランディング動画、そしてそれぞれのメイキング動画など、動画を介して出席者とのコミュニケーションが図られます。
●ホームページでの公開
コーポレートサイトやブランドサイトなど、自社で運営するWebサイトに公開されます。Webサイト上に掲載することで、自社の従業員やそのご家族、株主や投資家、顧客や取引先など、あらゆるステークホルダーに視聴いただく機会を設けることができます。
●採用活動/会社説明会での上映
周年動画は、企業の歴史や成長の歩みを伝えるコミュニケーションツールとして、採用活動における会社説明会の場でも広く活用されています。求職者/就活生の企業理解を短時間で深めることができるため、会社説明会での上映も、効果的な活用方法です。
●YouTube/SNSでの公開
動画配信プラットフォームであるYouTubeやInstagram/Facebook/Xなど、周年動画をSNS上に公開することで、より多くの消費者に周年動画を露出することができます。SNSは拡散性が高いため、周年動画の企画次第で企業の認知度向上も期待できます。
周年動画5つの特徴
1.企業の歴史や成長の歩みを、より深く正しく継承できる
2.過去、現在、そして未来まで、サクセスストーリーを構成できる
3.ブランドストーリーをドラマチックに演出できる
4.商品やサービスのファンづくりにも
5.求職者に企業の軌跡を伝える採用動画としても効果的
周年動画は、周年イベントやパーティに欠かせないコンテンツとして会場で上映されるほか、周年動画ならではの特徴を活かし採用活動でも活用されています。ここでは周年動画の特徴を5つにまとめご紹介します。
1.企業の歴史や成長の歩みを、より深く正しく継承できる
周年事業の代表的なコンテンツとなる企業の歴史は、多くが沿革としてホームページや会社案内に文字情報と写真で掲載されていますが、それだけでは企業の歴史や成長の歩みを理解しきれないのが実情です。周年動画では、文字情報や写真(または映像)にナレーションを加え、ストーリー仕立てで伝えることで、より深く正しく、そして容易に企業の歴史や成長の歩みを継承することができます。
2.過去、現在、そして未来まで、サクセスストーリーを構成できる
創業時に抱いた想いを胸に一心不乱に取り組んだ創業期、その想いを継承し無我夢中で突き進んだ成長期、そして新たな目標に挑む新生期など。周年動画では、自社の軌跡や現在の取り組みに加え、未来の展望までサクセスストーリーに組み込むことで、視聴者の共感を得る演出が可能です。
3.ブランドストーリーをドラマチックに演出できる
企業の掲げるMI(マインド・アイデンティティ)や言語化されたブランドコンセプトに企業の歴史を重ねて「When:いつ」「Where:どこで」「Who:誰が」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」の5W1Hを構成することで、ブランドストーリーをドラマチックに演出できます。
4.商品やサービスのファンづくりにも
自社の商品やサービスに強い興味を持つ顧客層に、商品/サービス開発の歴史やプロセスを共有し、企業の想いを正しく伝えることで、ブランドロイヤルティを高めることができます。大切なことは、単なる開発プロセスの紹介ではなく、商品提供までに生じた摩擦や苦悩、葛藤や決断など、企業の絶え間ない努力を映像化すること。周年動画ならではのマーケティング活動が可能です。
5.求職者に企業の軌跡を伝える採用動画としても効果的
近年、あらゆる業界において慢性的な人材不足が深刻な問題となっており、DXやAIによる業務効率化で一部改善が見られるものの、人材不足の解消までには至っていません。企業には、求職者や就活生の応募動機を喚起し、志望度を高めるための情報提供が求められますが、そのような折にも活用できるのが周年動画です。
周年動画は、社員をはじめとしたステークホルダーに企業の歴史や成長の歩みを継承する役割を担うと同時に、求職者や就活生にも効果的に伝える採用ツールとしても機能します。より深く正しい企業理解を促すことで、応募者のモチベーションアップにつながります。
周年動画制作3つのメリット
1.インナーブランディングの促進
2.ブランドイメージの向上
3.ブランドロイヤルティの形成
周年動画が担う本質的な役割は、インナーブランディングの促進です。自社の歴史や成長の歩み、現在の取り組みや未来の展望を社員が深く理解し、全社一丸となって目標達成に向け邁進することで、さらなる成長の原動力を養います。ここでは周年動画制作のメリットを3つにまとめご紹介します。
1.インナーブランディングの促進
周年動画は、企業の歴史や成長の歩み、現在の取り組み、そして将来の展望など、過去・現在・未来までをサクセスストーリーとしてドラマチックに演出することで、ステークホルダーの期待値を高め、社員のモチベーションアップを図ることができます。周年動画はインナーブランディングを促進する周年事業に不可欠なコミュニケーションツールとして多くの企業で採用されています。
2.ブランドイメージの向上
創業の経緯や創業時の想い、社会的意義や自社が担うミッションなど、事業に裏付けされた大義を打ち出し今後のビジョンを伝えることで、市場の信頼獲得から企業のブランドイメージ向上を図ることができます。ステークホルダーにとって経営者の熱意や成長意欲、リーダーシップはブランドイメージに直結するため、確かなブランドとしてその想いを伝えることが大切です。
3.ブランドロイヤルティの形成
インナーブランディングが促進され、ブランドイメージの向上が果たされた先にはブランドロイヤルティ(ブランドへの忠誠心)が形成されます。ブランドロイヤルティが形成されると、自社で働く誇りや喜び、やりがいや自己肯定感が満たされ、従業員満足度(ES)が向上。生産性や業務効率の改善により売上増をもたらし、離職率も低下します。
周年動画 制作事例3選
インナーブランディングの促進をもたらす周年動画の制作事例3選です。周年動画は多くのメリットをもたらす周年ツールとして幅広く活用されています。
1.鎌ケ谷巧業株式会社|まっすぐ、強く。
周年動画の核になったのは「揺るぎないプロフェッショナル集団であり続けたい」という鎌ケ谷巧業の姿勢。その姿勢を核に据えながら、創業以来培った「巧」の技や視点こそが鎌ケ谷巧業最大の価値として捉え『まっすぐ、強く。』のキーワードを開発しました。周年動画では、西暦2166年から来た未来人がタイムトラベルの中で鎌ケ谷巧業の未来に触れるストーリーを展開。未来の世界で起こる、技術の進化や時代の変化と鎌ケ谷巧業の関係を未来人視点で語らせ「巧」の技や視点の揺るぎない価値を印象的にメッセージしています。
2.三洋工業株式会社|歩みと想い
70周年を迎えた同社が、社員をはじめ顧客や株主など全てのステークホルダーに、三洋工業のルーツや歩み、社会への提供価値や想いを知っていただくこと。そして100年企業を目指すべく、三洋工業がすべきことを全ての従業員に再認識してもらうことを目的に、周年サイト&周年動画を制作。
提供価値を伝えるブランディング動画、70年の歩みを継承する周年動画、そして社員の仕事に対する姿勢や想いを伝える採用動画と、3本の動画で「三洋工業」を余すことなく伝えています。
制作事例
三洋工業株式会社|歩みと想い
3.月島食品工業株式会社|つなげる力で未来を創る
各部署・拠点を紹介しながら自社の歴史を振り返る前半パートと、月島食品工業が目指す姿を部署ごとにメッセージする後半パートの二部構成で制作した周年動画。社員の皆様にもご協力いただくことで、仲間やお客様に感謝の気持ちを伝えるだけでなく、社員同士が繋がり、組織として一つになることの大切さや楽しさを表現する動画を目指しました。