動画制作の流れと事前準備

制作着手前の事前準備から制作期間、動画制作の流れをご紹介します。

Introduction

制作着手前の事前準備

動画制作を円滑に進めるには、クライアントサイドの事前準備と制作会社サイドの進行管理が重要なポイントとなってきます。制作着手前に準備しておきたい、基本的な情報は次の通りです。

1.制作する動画の用途/目的を明確に決めておく
2.ターゲットやペルソナを設定する
3.ある程度、予算の上限を決めておく
4.イメージする参考動画を2-3用意する
5.必要な資料や情報をまとめておく
6.使用したい写真/動画素材を準備しておく
7.納期を明確にしておく

1.動画制作の用途/目的を明確に決めておく

動画制作の際には、その使用目的や目的を明確に定義することが重要です。目的がはっきりしないまま制作を始めると、企画が定まらずシナリオ作成に時間がかかり、進行や納期に影響が出る可能性があります。

用途の一例
・自社サイトでの公開
・採用イベントや説明会
・社内/社外イベント
・展示会でのアイキャッチ
・動画広告(TVCM/YouTube/SNS)
・駅構内/電車内/タクシーなど交通広告
・デジタルサイネージ
・社屋エントランス放映
・株主への事業紹介 など

目的の一例
・企業ブランドの浸透
・ブランドイメージの向上
・社員モチベーションの向上
・応募者獲得と内定承諾率の改善
・会社の軌跡を伝える
・商品/サービスの認知拡大
・商品/サービスの売上向上
・商品/サービスの機能/性能解説
・Webサイトへの誘導
・店舗への来店促進
・運用マニュアル など

2.ターゲット/ペルソナを設定する

制作する動画がどのセグメントに向けて発信されるのか、誰に見てもらいたいのかといったターゲット像を明確にすることで、より効果的な動画に仕上げられます。また、ターゲット像を深掘りして性別、年齢、職業、居住地、家族構成、趣味、ライフスタイルなどの詳細なペルソナを設定することで、企画の精度がさらに向上します。

3.ある程度、予算の上限を決めておく

動画制作には、企画内容や撮影日数、機材、ロケ地、キャスティング、衣装、ナレーション、音楽、動画の尺など、多くの要素が関わり、それぞれが制作費に影響を与えます。クオリティを追求すると予算が青天井に膨らむ可能性があるため、一般的には、大規模な映像制作でない限り、予算を考慮した企画立案が行われます。

予算の上限なしの場合
企画/シナリオ立案→予算組み
※クオリティ重視の動画制作が可能

予算の上限ありの場合
予算上限→企画/シナリオ立案
※予算の範囲内で動画制作が可能

ある程度、予算の上限を定めておくことで、ベストな企画立案が可能です。

4.イメージする参考動画を2-3用意する

動画には実写、アニメーション、ドローン撮影、CGなど多くの制作手法があり、表現方法も様々であるため、クライアントサイドのご要望を短時間のオリエンテーションで正確に把握するのは容易ではありません。企画にズレが生じると時間が大幅に浪費され、その後の制作工程に影響を及ぼすため、完成イメージ参考動画(ベンチマーク)の共有をお願いしております。動画制作の用途/目的を踏まえて参考動画を確認することで、ご要望により沿った動画制作が可能となるため、手間をかけてでもご用意いただくことが推奨されます。

5.必要な資料や情報をまとめておく

企業情報や商品・サービスに関する資料を事前にご準備いただけると、動画制作の進行がスムーズになります。たとえば会社紹介動画の場合、理念/会社概要/事業情報などの基本情報に加え、代表インタビューやIR情報/社内報/周年誌など、企業を取り巻くあらゆる情報をできる限り多くご用意いただくことで、より制度の高い動画制作が可能となります。

6.使用したい写真/動画素材を準備しておく

クライアントが事前に準備しておくべき資料の内、前項5の資料は比較的スムーズに準備されることが多いのですが、意外と時間を要するのが写真/動画素材の準備です。
特に、周年動画での軌跡紹介や過去イベントの様子など、新規撮影が難しい過去の素材は収集に時間がかかるため、制作発注前にこれらの素材を確認し、事前にご準備いただくことを推奨しています。
また、商品やサービスの紹介動画を作成する場合には、基本情報に加え開発プロセスやストーリー、マーケティング情報なども揃えていただくことで、より精度の高い動画制作が可能となります。

7.納期を明確にしておく

動画制作において納期の管理はとりわけ重要です。動画制作では、企画やシナリオ構成によって準備期間が大きく異なるため、納期と制作期間の兼ね合いから”できないこと”が生じる可能性があります。必ず事前に納期を確認し、余裕を持ったスケジュールを組むことが、動画制作を成功させる第一歩です。

標準的な制作期間

動画の制作期間は企画内容や実施項目により異なりますが、実施項目ごとの標準的な制作期間は次の通りです。

ご支給素材やフリー素材から編集の場合

【最短2週間〜1ヶ月程度】
撮影を行わずにご支給素材やフリー素材を使って編集する場合、簡易シナリオ構成に1週間、編集に2週間、校正期間に1週間を要し、最短4週間程度で制作が可能です。シナリオ構成をご支給いただければさらに納期を短縮し、最短2週間程度から制作可能ではありますが、想定外の遅れに備え、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。

フリー素材中心に映像撮影を加え編集の場合

【最短1ヶ月〜1.5ヶ月程度】
フリー素材に一部撮影映像を加えて編集する場合、簡易シナリオ構成に2週間、編集に2週間、校正期間に2週間の約6週間で制作が可能です。キャスティングやロケーション、シナリオ構成が決定されている場合、さらに納期を短縮し、最短で約4週間(1ヶ月)程度から制作可能ではありますが、想定外の遅れに備え、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。

クオリティ重視で制作する場合

【最短2.5ヶ月〜3ヶ月程度】
企画/シナリオ構成に力を入れ、撮影したオリジナル映像にナレーションを加えるなど、クオリティ重視で動画制作を行う場合、企画/シナリオ構成に4週間、撮影に1週間、編集に3週間、校正期間として2週間の最短2.5ヶ月(10週間)程度が最短での制作期間となります。キャスティングやロケ地の都合を考慮し、3ヶ月間の制作期間を見ておくと安心です。

企画やシナリオ構成に力を入れ、撮影したオリジナル映像にナレーションを加えるなど、クオリティ重視で動画制作を行う場合、企画/シナリオ構成に4週間、撮影に1週間、編集に3週間、校正期間として2週間の計10週間(2.5ヶ月)程度が最短での制作期間となりますが、キャスティングやロケーションの調整も考慮すると、計3ヶ月は制作期間として見込んでおきたいところです。

動画制作の流れ

動画制作の基本的な流れは大きく分けて「オリエン」「企画/シナリオ構成」「撮影」「編集」の4段階となり、その間に準備期間や校正期間が入り、ご提案とフィードバックを繰り返しながら進行を進めていきます。制作時には、想定外の遅れが発生する可能性に備え、余裕を持ったスケジュールで着手することが大切です。

動画制作の基本的な流れは、主に「オリエンテーション」「企画/シナリオ構成」「撮影」「編集」の4段階に分かれます。この間に準備期間や校正期間が入り、ご提案とフィードバックを繰り返しながら進行します。想定外の遅れに備え、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。

1.オリエンテーション

パドルデザインカンパニーでは、動画制作を始める前に必ずオリエンテーションをお願いしています。この段階で、動画制作に至った経緯や現状の課題/目標、用途/目的、ターゲット、予算、納期などのご要望を詳細に把握し、企業/事業/製品/サービスへの理解を深めることで、精度の高い企画・シナリオ構成を目指します。

2.概算見積もり

オリエンテーションでお伺いしたご要望に基づき、概算見積もりを提出します。この段階ではあくまで概算であり、企画構成やご要望によって料金は変動する可能性がございますが、企画立案前に予算感を知ることで、安心して動画制作を進めていただけます。

3.企画/シナリオ構成/絵コンテのご提案

これまでにいただいた情報をもとに、制作チームでアイデアを持ち寄り、企画立案とシナリオ構成を行います。ご提案時には、企画/シナリオ構成をより具体的にご理解いただけるよう絵コンテに落とし込み、プレゼンテーションさせていただきます。

4.本見積もり提出

また、項目3の企画/シナリオ構成ご提案時には、企画の実現に必要な本見積もりを提出いたします。企画内容/シナリオ構成と合わせ本見積もりをご確認いただくことで、企画案の最終決定が可能となり、より安心して動画制作を進めていただけます。

5.シナリオ校正

決定した企画のシナリオチェックを行うフェーズです。ロケーションや出演者、ナレーション原稿などもこの段階で決定し、撮影準備を進めていきます。

6.キャスティング(実写の場合)

実写に必要な出演者のアサインを行うフェーズです。モデルやタレントを起用する場合、書類審査やオンラインまたは対面でのオーディションを実施し、キャストを決定します。自社の社員や知人をキャスティングする場合には、ご相談の上で決定します。

7.イラスト制作(アニメーションの場合)

アニメーション動画の制作時には、キャラクターやアバター、インフォグラフィックなどのイラスト制作を進めます。アニメーション制作に入る前に、制作したイラストをチェックしていただき、各イラストを丁寧に制作していきます。

8.撮影/収録(実写の場合)

決定したロケーションやスタジオで撮影を行います。事前に撮影香盤表を準備し漏れなく効率の良い段取りで撮影を進めます。原則撮影時にはクライアント担当者の立ち会いが必須となります。

9.粗編集/校正

本編集の前段階として、これまでに制作した映像やアニメーション素材をざっくりと組み上げた粗編集版を提出し、校正チェックを行っていただきます。この段階では、ナレーションはダミー音声での構成となることが大半です。

10.本編集/MA

粗編集版での校了後、動画制作の最終工程となるナレーション収録やMA(Multi Audio:音の調整や収録作業)を行い、本編集を進めます。

11.完パケ/ご納品

遂に完成した動画データのご納品です。納品する動画のファイル形式は「mp4」または「mov」が基本となりますが、その他ファイル形式をご希望の場合には、担当者へご相談ください。